9月、夏休みも後半に差し掛かったころ京都を訪れました。ぶらりぶらりと円山公園から鴨川に向かう散歩は心地がよいものです。ゆっくりと川の流れを眺めながら京都を満喫していました。するとどこからか激しいラップ調が聞こえてきます。
「高校生なめんな!」「高校生もむかついてんだぜ!」。どうやら安保関連法に反対する京都の高校生が主催したデモのようです。中京区、東山区の繁華街をデモ行進していました。参加者に話を聞くと高校生は大阪府や滋賀県からも集まっていました。古都の静かで落ち着いた街並み。それとは対照的な危機感あふれるコール。この様子は本日付けの日本経済新聞の写真に載っています。
29日、高校生の政治活動を巡り、文部科学省は政治活動を「望ましくない」としてきた1969年通知を廃止。デモや集会への参加など校外での政治活動を「家庭の理解の下、生徒が判断して行う」との条件付きで認めました。
大学生や高校生の若者の主催する政治活動は、マスコミをはじめさまざまな人々や団体の注目を浴びています。参議院で安保法案が可決された日から一カ月たった10月19日、国会前でデモに参加していた女性(68歳)に話を聞くと「若者が動いてくれると嬉しい。若者主催のデモの時はいつもより多く集まるわね」と言っていました。決して、若者主催の集まりだから影響力があるとか、それゆえに若者が利用されていると言っているわけではありません。
先ほど言った記事の写真ではよく見えないかもしれませんが、高校生の後ろにはたくさんの大人の参加者が列に並んでいました。これは、安保関連法に対する関心度の高さによって参加者を集めたということもあります。しかし、若者ならではの鋭いコールや気軽さも手伝って大人も参加しやすくなったのではないでしょうか。高校生は周りを巻き込む影響力があるのだと思います。ゆえに一層、それにあやかろうと選挙に向けて政治家や政党がすり寄ってくることもあるではないかと危惧してしまいました。
実際にどんな活動をすれば制限や禁止などの指導の対象になるのか。判断基準、線引きを巡り現場から戸惑う声も出ていると記事には書いてありました。その議論も大切です。また同時に高校生が政治活動をしたときに、自らの影響力をきちんと学校で教えて欲しいものです。政治活動をすれば、写真を撮られたりすることもあると思います。自分自身の個人情報の取り扱いなどの知識、周りの大人に利用されていないのか見極めることの大切さも伝えなければなりません。
参考記事:30日付 各紙「高校生の政治活動 一部容認」関連記事
写真は30日付 日本経済新聞(東京14版)社会43面掲載してあります。