国民審査 投書から学ぶ

大学生になってから、毎日、新聞を読む際に、必ず目を通すページがあります。それは読者投稿欄です。時間がない日や用事がある日でも、投書だけは読むように心がけています。世の中の人びとがどのようなことに関心を抱いているのか、どのような考えをもっているのかを知る貴重な場であると同時に、新たな「気付き」を得ることができるからです。

最近、気になったのは、30代の男性が投稿した「国民審査 参院選でも」(17日の読売新聞朝刊)。投稿内容の説明に入る前に、国民審査について簡単に説明します。国民審査とは、最高裁判所の裁判官としてふさわしいかどうかについて、市民が直接意思表示をするものです。今回は裁判官15人のうち、11人を対象に行われました。話を戻します。投書によれば、今回信任された11人全員が60歳を超えているため、70歳の定年を迎えるまで、事実上、審査を受けることがなくなったようです。憲法の規定により、審査を受けた日から10年を経過した後の衆院選まで、再審査が行われないためだとしています。これを踏まえて、男性は参院選にも国民審査をすることで、衆院選とは違い、日程に左右されずに前もって適否を検討する時間が持てると主張しています。

私も、将来的には、国民審査のあり方を見直す必要があると考えています。一方で、国民審査に対する国民の関心がまだまだ低いため、先ずは関心をもってもらうための工夫を講じていく必要があると考えています。ほとんどの国民にとっては、裁判官の人となりなども分からず敬遠しがちです。今回、NHKは制度の意義や審査対象となる11名の経歴や判例をまとめた特設サイトを開設しましたが、判断材料が少ないように感じます。メディアがより積極的に裁判官の経歴や業績を報道していくことが重要です。

 

参考記事

17日付読売新聞朝刊(東京12版)14面(教育•投書)「国民審査 参院選でも」