安倍晋三元首相、京都2区に現る!

30分後に、安倍元首相が百万遍の交差点に来るらしい

昨日の午後、LINEグループに突然投稿された一文を見て、思わず叫んでしまいました。ええっ?! 筆者は昼ご飯を食べ終え、大学から寮に帰る途中でしたが、好奇心が瞬時に脳を埋め尽くします。以前、野党の党首を都内で見かけたことがあったものの、安倍元首相はちょっと格が違う。計8年以上総理大臣を務め、世界史に名を刻んだ男。かの大物政治家が弁舌をふるう姿を見逃す訳には行かない。即座に踵を返しました。

街頭演説が行われたのは、京都市左京区、東山区、山科区を含む京都2区です。前原誠司氏が7期連続で勝利しています。(当選は9回) 氏は民進党の代表時代に政局を見誤り、駆け引きに失敗。近年、政界への影響力は薄れ気味ですが、地元では根強い支持を受けています。筆者が所属する法学部国際政治学ゼミの大先輩にもあたります。

対する自民党は、前回の衆院選から繁本護氏を擁立。元国土交通官僚で、比例復活による当選1回。岸田新内閣では、財務大臣政務官に任命されました。共産党の地坂拓晃氏とれいわ新選組の中辰哉氏も、同区に立候補しています。

15時頃から、噂を聞きつけた人がぞろぞろ百万遍に集まり始めます。京大生も校舎を出て、いそいそと学外の交差点へ。雨天にも関わらず、車道に人が溢れるほどの群衆が集い、安倍氏の凄まじい集客力を感じました。30分程待つと、黒塗りの高級車が停車。元首相は、選挙カーの梯子を上り、繁本候補とグータッチを交わします。マイクを握ると、いつもの声で熱弁をふるい始めました。

熱弁をふるう(以下全て、25日筆者撮影)

最初に言及したテーマは、コロナ下での経済政策でした。「皆さん、この選挙で問われているのは、どうやってコロナ禍を克服していくか、ということであります」。安倍政権下で事業規模230兆円の財政出動を行い、10万円の特別定額給付金や事業者への持続化給付金を捻出したことを強調。感染拡大防止策を継続しつつ、経済を回し、地域再生を実行していくと言明しました。

次に、コロナ以前からのアベノミクスの功績をアピールしました。「経済における政治の最大の責任は、皆さんの働く場所を、職場を、雇用を守り抜いていくことであります」。有効求人倍率や倒産件数が大幅に改善したことを紹介。生産年齢人口が減少していく中、女性や高齢者の労働人口を増やしてきたことに触れ、「残念ながらマスコミは報道してくれないので、こうやって直接説明させていただいております」と、得意芸のマスコミ批判も。学生が多いことを意識してか、「(コロナ禍による)就職氷河期は絶対に作らない」とも断言しました。

最後に、繁本候補の能力の高さを宣伝。当選1回で財務大臣政務官に就くことは通常あり得ないが、類稀な政策立案能力が見込まれて任命されたと述べ、「日本で最も厳しいこの選挙区」で勝たなければ、その手腕を発揮してもらえないと訴えかけました。

交差点には数百人の聴衆が集まったものの、多くが両手に雨傘とスマホを握っていたためか、拍手はまばら。声援も僅か。安倍氏が「繁本護さんを応援する人は、ぜひ傘を上にあげて下さい!」と絶叫しても応える人は少なく、現場はかなりアウェーの様相でした。反権力の志向が強いとされる京大生も応援するのではなく、物見遊山で演説を眺める学生が多かったように思います。

筆者としては、安倍流の巧みな演説テクニックが強く印象に残りました。背筋をピンと伸ばしてまっすぐ立つ。手振り身振りを効果的に交えつつ、左右に体の向きを変えて、全方向の聴衆に話しかける。雨や車の音に負けぬ、伸びやかで力強い声。抑揚とレトリックを使いこなし、淀みなくテンポよく。候補者本人や自民党市議会議員も熱が入っていましたが、元首相の演説はズバ抜けてうまかった。大物のオーラが溢れ出ていました。

投票締切日まであと5日。京都2区には、現・前首相やその他大臣も続々と応援演説に駆けつけていますが、その効果は如何ほどか。前原氏優勢の下馬評は覆るのか。選挙運動は最後まで目が離せません。

演説カーから下り、道路を練り歩く

マクドナルド百万遍店の前を通る