筆者は今イギリスの首都ロンドンに滞在しています。こちらでは、スーパーマーケットやバスなどではマスクを着用しますが、街中でマスクはほとんど見かけません。その理由として、ワクチン接種がかなり普及していること、そして検査数が増えていることが考えられます。
筆者の通う学校では、抗原検査を週に2回受けることが義務になっています。唾液などを試薬と混ぜることによって短時間で抗原の有無を確認できます。PCR検査とは違い、自宅で簡単にできるのでより多くの人にとって実践しやすいメリットがあります。帰省を控えている人や高齢者との接触が日常的にある人からすれば、症状がなくても検査を受けることで安心が得られるのはありがたいでしょう。
ただ、たとえ承認されたものであってもその正確性には少し不安が残ります。今回はNHS(英国の国民保健サービス)の検査キット「COVID₋19 Self₋Test(Rapid Antigen Test)」についてレポートしたいと思います。
①綿棒で扁桃腺をそれぞれ4回擦ります
②同じ綿棒を使って2.5㎝ほど鼻の奥に入れ、10回まわします。
③その綿棒を液体の入っているカップの中に入れて15秒ほど待ちます
④綿棒を抜いた後、その液体を検査キットに2滴たらします
⑤最大30分ほどで結果が出てきます
上の図の線が一本であれば陰性、二本であれば陽性となります。
筆者の場合は検査キットに液体を垂らしてから数十秒で結果が出たので全体で10分もかかりませんでした。ただ自分で喉や鼻の奥に綿棒を入れるのは少し抵抗があり、保健所でPCR検査を受けたときほど、しっかりと奥に入れることができませんでした。また、綿棒を強く入れたため鼻血が出てしまいました。他の物質と混ざると偽陽性に判定されることもあるそうです。どこまで奥に入れるのかで個人差が出てしまったり、他の部位を誤って触ってしまったりすることで、結果が正確に反映されない可能性もあります。素人が扱うため、信頼度100%と言い切ることはなかなか難しいのかもしれません。
また、最近では国の承認を得ていないコロナの抗原検査キットが、雑貨のような扱いでドラッグストアに販売されています。医療機関でPCR検査を受けるとなると2万円ほどかかるところ、4000円ほどで買えるそうです。たしかにお手頃ではありますが、あくまでも目安としての利用が望ましいでしょう。PCR検査でも誤判定が出ることはあります。「陰性だったから大丈夫」という安堵が油断に変わることが決してないように気を付けていきたいものです。
※NHS COVID₋19 Self₋Test(Rapid Antigen Test)
参考記事:
20日付 朝日新聞デジタル「ウガンダ選手なぜ陽性?ワクチン効果・検査感度に限界」
6月10日付 読売新聞オンライン「「雑貨扱い」の未承認コロナ検査キット、ドラッグストアで販売…多くは中国製」