韓国と北朝鮮の関係は?

「今からは笑わないように、あちら側に決して指を指してはいけない」

北朝鮮領土を目の前にし、白人兵士はこう言い放ちました。背筋が凍ったような気がしました。数か月前に板門店へ行った時の話です。複数の国の兵士がほんの少しも動かずに、じっと北朝鮮を見つめています。数百メートル先には、北朝鮮への入り口と、これまた微塵も動かない北朝鮮兵が見えました。島国で生まれ育った私にとっては、大陸を共有する2国がにらみ合っているあの光景は不思議なものであり、忘れられません。いますぐにでも戦争が始まってもおかしくないような空気が漂っていました。

今月4日に、南北の軍事境界線沿いの非武装地帯(DMZ)の韓国側で、2人の兵士が地雷によって負傷しました。韓国側は、北朝鮮が設置したものだと考え謝罪を要求していましたが、北朝鮮側は関与を否定し、緊張状態が続いていました。20日頃になると双方が発砲し事態が深刻に。22日、北朝鮮の提案で問題解決に向けた高官協議が始まりました。その後、30時間を超える話し合いの末、今日未明2国の合意事項が発表されました。

これにより、準戦時状態が解除され、関係改善にむけた会談や交流を行う意向を示しました。この中で1つ気になったのが、韓国が拡散器を使った宣伝放送を中断するということです。北朝鮮はこの放送の中止を強く望んでいました。それは、内容が金氏の忠誠心に影響を及ぼしかねないものだったからです。金政権が世界で孤立していることや、政権への強い批判、また国外のニュースや韓国内の生活状況や韓国の豊かさを訴えることなどが放送されたといいます。この放送を韓国側が北朝鮮側の要求にこたえ中断したことは少し残念でした。仕方がない決断だったことは理解できますが、またなんの罪もない北朝鮮の国民は情報から隔離されてしまいました。愚かな政権のせいで、外の世界とかかわりをもてず自由を奪われて生活している姿を想像すると大変気の毒に思われます。

両国にとってメリットもデメリットも多いため統一までにはまだまだ時間がかかりそうな気がしますが、今回の一件で南北の関係改善へと一歩前進したことは確かです。北朝鮮の国民に自由が与えられるように、また北朝鮮が世界の戦争を起こすきっかけにならないように、今後の2国の関係を見守るばかりです。

参考記事:8月25日付 読売新聞 日本経済新聞 朝日新聞 夕刊 各紙1面 「南北、合意」関連記事

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