温暖化とCO2は無関係?問われるメディアリテラシー

「地球温暖化の原因は本当にCO2なのか?」

「休校は新型コロナウイルス拡大防止のために本当に効果ある対策なのか?」

気候変動やコロナ感染など、最近は自然科学の分野でも、メディアが伝える情報の真贋を見極める力「メディアリテラシー」が問われる場面に出会うようになっています。

筆者自身、情報源や情報の新しさから信憑性を判断して自分の意見を持っていたつもりでした。しかし、権威ある人たちの中でも意見が割れていることも少なくありません。何が真実なのかわからず振り回されると、うんざりしてしまいます。「この人たちですらわからないのだから」と、情報を最後まで吟味することを諦めてしまうことは、何度もあります。

地球温暖化については、今も、現状をどう捉え、どう行動すべきなのか、私の中で定まっていません。重い腰を上げてもっと調べなければいけないな、と思っていた先日、大学の授業で教授がこんなことを言っていました。

「テレビに出ている〇〇教授を、私は学者だと認めていません。彼はデータを都合よく読み取って、注目を集める主張をしている。」

「調査結果」と題されて発表されたものの中にも、信憑性を疑うべきものはあります。例えば「マーガリンの消費量」と「離婚率」の変化を表すグラフの波形が似ているから「この2つには因果関係がある」とするのは大きな間違い。たまたまグラフの形が似ていただけで、マーガリンに離婚の原因となる成分が入っているわけではありません。同じように、それらしくデータを並べ、自分の主張に説得力を持たせようとする著名人もいるのだ、と解説がありました。

強く感情に訴えかけるような表現を駆使しての力説。有名な大学、教授の名前で書かれた主張。多数のメディアが報じていることや小さい頃から教科書で教えられてきたこと。これらについて、その根拠を疑うことはほとんどありません。しかし、よくよく自分の頭で考えてみれば、専門家でない自分でも間違いに気づくことはあるのだ、と気が付きました。

少数派が正しかったケースは、多くあります。間違う可能性がある人間の誰かに、判断を任せきりにすることは危険です。その主張の根拠は何なのか。データの捉え方は正しいか。論理に飛躍はないのか。情報に溢れた社会だからこそ、さまざまなメディアが伝えることを鵜呑みにせず、自分の頭で考えることを放棄してはなりません。

 

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参考資料:

マーガリンは危険?使用量多い家庭は離婚率高い?パン食が多いと離婚率高い?