別れの日が近づいてきました。私は韓国に留学をしていたので、あと1年長く大学にいますが、友人たちは、4月から社会人です。社会に出てしまったら、会えなくなってしまうだろうということで、今月に入って、友人たちと一緒になる機会が増えました。コロナ禍ということでランチ時間を利用した数時間のおしゃべりですが、思い出話に花を咲かせ、とても楽しい時間を過ごしています。
友人たちと会うなかで、驚いたことがあります。それは容貌の変化です。会話の最中にふと友人たちを見る。すると、これまでとは違った顔付きをしている。そんなことが多くありました。来月から新社会人になるからか、大学の4年間、見慣れていたものとは違った、キリッと引き締まり、凛とした表情をしているように見えました。社会の一員としての自覚や、新生活への期待が現れているのだと思います。
期待に満ち溢れ、何事も頑張ろうと思える春ですが、一方で、厳しい現実があることも受け止めなくてはいけません。本日の朝日新聞朝刊を読んでいると、「2019年8月に三菱電機の新入社員が自殺したことが労災認定された」とありました。男性新入社員の遺族側弁護士によると、尼崎労働基準監督署からまだ認定の理由は示されていないものの、教育主任だった上司からの暴言がパワーハラスメントにあたると判断された可能性が高いそうです。
「次、同じ質問して答えられんかったら殺すからな」「お前が飛び降りるのにちょうどいい窓あるで、死んどいた方がいいんちゃう?」「自殺しろ」。亡くなった男性のメモには、上司から浴びせられた暴言が残っていました。
私は、以前のアルバイト先で、上司が事務の女性を過剰に怒っているのを見たことがあります。他の人には優しく接しているのに、事務の女性一人だけには冷たいのです。そのことを知人に話したら、「世の中ってそんなものだから。みんなその中で頑張っている」と言われました。三菱電機の男性社員も周囲から同じようなことを言われたかもしれませんし、自身にそう言い聞かせていたかもしれません。
しかし、多くの人が我慢して頑張っているからといって、自分も妥協しなければいけないのでしょうか。そうは思いません。特に20代の若いうちは、妥協をせず、自分のやりたいことをやり、自ら働きやすい職場に変えていってほしいと思います。4月から社会人になる友人たちには新天地で頑張ってほしいという思いの一方で、あなたが輝けるのはそこだけではないと伝えたいのです。
参考記事:
3月12日朝日新聞6面、31面(東京14版)「三菱電機の社員自殺 労災認定」