今日Twitterで「#生理休暇」がトレンド入りしていました。
労働基準法第68条(生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置)
使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。
労働基準法第68条で規定されているものの、「実際は取れない」というつぶやきがほとんどでした。理由は上司に報告しにくい、周囲に迷惑をかけるなど。その中で特に気になったのは、同性からの理解が得られないというものでした。生理は人によって症状も、その重さも異なります。症状の軽い同性に「このくらいで休むなんて」と言われた人は少なくないようです。
この背景には、生理について人前で話すべきではない、つらいと言ってはいけないという風潮があると思います。筆者が通っていた中学校では、生理だからとプールの授業を休むことは認められていませんでした。主な症状である生理痛(下腹部の痛み、不快感)や腰痛も、休む理由にはならないと女性教師に言われていました。
プールの水圧で経血が出にくいとされていますが、着替えや準備体操など入水までの15分は心ここにあらず。タンポンや月経カップなど膣内に入れ経血を受け止めるものもあり、プール時の経血漏れを最大限抑えることはできます。しかし紙ナプキンとは違い、取り付け時に痛みを感じたり、時間がかかったりと誰もが簡単に扱えるものではありません。筆者が中学生のときは、その存在さえ知りませんでした。保健の授業で扱われなかったからです。6月上旬から9月末まで、週3回ほどのプールの授業と生理がかぶらないことを祈ることしかできませんでした。
それからは、生理でいかに体がつらくても休む理由にはならない、周囲につらいと言ってはいけないのだと考えるようになりました。中学校の同級生と生理について話したことはほとんどありません。筆者の考えが変わったのは高校に進学してから。「今日生理だから、お腹痛いんだよね」と話す同級生の存在でした。周りも「じゃあ無理しすぎないようにね」と優しく気遣います。生理による体調不良を訴えることは、決して甘えではないことを知りました。むしろオープンに話すことで、自分にはない体の不調で困っている人がいること、人によって症状の重さが違うと理解することができました。
生理による不調はその人にしか分かりません。それを表現する術もありません。人前で話してはならない、休んではいけないなど生理に対するタブーが、周りへの理解を阻害しているのではないでしょうか。自分のものさしで人を測らないことも重要ですが、社会に残るタブーを見直すことも必要かもしれません。
参考記事:
24日付朝日新聞夕刊(東京3版)6面「「らしさ」の圧力から自由に」
参考資料:
『ポケット六法平成30年度版』有斐閣