27日、第一生命保険主催の第34回「サラリーマン川柳(略してサラ川)」優秀作100句が発表された。
1987年にスタートした「サラ川」。「笑えない ことでも笑い 飛ばしたい」をコンセプトにサラリーマンの「悲哀」を笑い飛ばしてきた。当時の流行や世相を反映しユーモラスにうたい上げたものが多い。例えばこの句。
そりゃないよ 俺より稼ぐ フリーター
正社員(第4回・1990年)
フリーターがバブルの恩恵を受けている世相を皮肉った作品だ。当時の新聞を見てみると、「フリーターに追い風 20歳代で月収40万円も」の見出しが。当時は非正規雇用でもこれだけ稼げたのかと隔世の感を禁じ得ない。
しかし、バブル崩壊により、好景気から一転して「失われた10年」に突入。急速に悪化する日本経済のあおりを受けた時期は、バブル期を回顧する句が目立つ。
イタメシが バブルはじけて もつ鍋に
ボール牧々(第6回・1992年)
イタメシとは、イタリアンな料理のこと。「少し前まではイタリアンばっか食べてたのに、今は安いもつ鍋か」。食事を前にため息をつくサラリーマンの姿が思い浮かぶ。
世相を映してきたサラ川。コロナ禍に揺れた昨年をサラリーマンはどのようにうたったのだろうか。
優秀作100句に目を通して圧倒的に多かったのは、「在宅勤務」。その数なんと37句。全体の約4割を占めている。しかも、ほとんどでテレワークに四苦八苦する姿が詠まれている。
テレワーク 大きな子供が ひとり増え
リモートで ミュート忘れて 愚痴バレる
プツプツと 途切れる意識と 無線ラン
リクルートキャリアの調査によると、テレワークをするようになった就業者のうち59.6%がそれまでにはなかった仕事上のストレスを実感。そのうち67.7%はいまだにストレスが解消されていない。そんな結果が出ている。在宅勤務に関する句は、このような勤め人の現状を端的に表しているといえよう。
現在、優秀100句の中から「第34回サラリーマン川柳コンクール」ベスト10を決める投票が実施されている(3月19日投票締切)。在宅勤務に限らず、世相を面白おかしく詠んだ句は多い。共感する一句、あなたも探してみては。
参考記事:
朝日新聞デジタル「抱き上げた、孫が一言… サラリーマン川柳、今年も発表」
https://www.google.co.jp/amp/s/www.asahi.com/amp/articles/ASP1V7G1PP1VULFA02C.html
参考資料:
株式会社リクルートキャリア「新型コロナウイルス禍における働く個人の意識調査」https://www.recruitcareer.co.jp/news/20210122_02gis1f.pdf
サラリーマン川柳公式ホームページ
https://www.dai-ichi-life-connect.jp/cp/202101/sarasen/index.html?route=000006&staff=00000000