感染再拡大 敵は人でなくウイルスだ

知り合いが濃厚接触者と認定された。会社に報告したら内々定が取り消しになったらしい。

自己管理がなってないことを理由に挙げ、内々定を取消されたといいます。その話を聞いて以来、飲み会に行く頻度が多い人とは会わなくなった。友人はそう続けました。

「第3波と考えてもいいのではないか」。11日の定例会見にて、日本医師会の中川俊男会長が見解を示しました。14日には、全国で新規感染者数1739人と過去最多を更新。感染者の増加傾向が強まっています。

感染再拡大とみられる現状を受け、友人との楽しい食事の約束を延期にすることも増えました。冒頭の話はそのときに聞いたものです。「濃厚接触者・感染者=自己管理がなっていない」ならば、外に出るな、誰にも会うなということか。そう思ってしまうとも話してくれました。

潜伏期間が長く、無症状者も多く確認されている新型コロナウイルス。確認されている症状は、100種類を超えるという調査結果も報告されています。本当に厄介な病気です。どんなに気を付けていても、感染する可能性、濃厚接触者と判断される可能性がゼロになることはありません。誰もが、新型コロナウイルスの感染リスクと隣り合わせで生活しています。

それにも関わらず、なかなか差別や偏見がなくなりません。目に見えないウイルスだけでなく、人をも恐れる対象としてしまっているのです。この状況では、体調に異変を感じても、周りの反応を恐れ、病院に行かないという判断をしている人も少なくないかもしれません。感染者を増やさないためにも、差別・偏見をなくす必要があります。

現在、差別・偏見防止のために条例を作っている自治体が増えています。罰則はなく実効性に課題はありますが、全国的に条例を定める地域が増えれば、住民の意識も変わるのではないでしょうか。感染再拡大をしている今こそ、「恐れるべきはウイルス」だと全国民が再認識しなければなりません。新型コロナウイルスは、かかってはいけない病気ですが、かかるときはかかってしまう病気です。私たち一人一人が、寛容な心を持つことが求められています。

参考記事

14日付 読売新聞朝刊(東京13版)37面(社会)「コロナ差別 条例で防ぐ『恐れるべきはウイルス』 20自治体制定」

参考資料

NHKHP

8日 「新型コロナの症状100種類以上 AIで世界の論文を解析した結果」 

14日「新型コロナ【国内感染】1739人 3日連続で最多更新(14日23時)」