今朝の朝日新聞で、ある1つの記事が目に留まりました。
13都県で死者数増加、なぜ? 交通事故、全都道府県で減少だけど
交通事故の件数が少なくなっているにも関わらず、死亡事故が増えている地域があるといいます。なぜでしょうか。
今年は、新型コロナウイルスが各所に影響を与えた1年となりました。もちろん、交通に対しても例外ではありません。緊急事態宣言下の4・5月、帰省を控える人が多かったお盆の時期においては、街や高速道路を走る車の数が例年に比べぐっと減りました。コロナ自粛により、交通事故の件数も少なくなったとみられます。
それにも関わらず、なぜ死亡事故が増えた地域があったのか。日本交通事故鑑識研究所(東京都)の大慈彌雅弘代表は、「交通量が減ったことで車が速度を出しやすくなっている」ことに原因があるとみています。
「ちょっと」スピードを出しても大丈夫。交通量が少ないと、開放的な気持ちになり、ついついスピードを出してしまう気持ちも分かります。しかし、この「ちょっと」が、交通事故・死亡事故を起こすリスクをぐんと引き上げてしまいます。車は、速度が速ければ速いほど、停止に必要とする距離は伸び、衝撃の大きさも大きくなります。どのような交通量であっても、スピードの出しすぎには注意しなければなりません。
また、速度だけではなく、コロナ禍で抱える不安が事故に繋がる可能性もあると分析する専門家もいます。メンタルが不安定だと、注意散漫になりがちだからです。また、これは歩行者にもいえると思います。ぼーっと歩いていて事故にあうなどということは決してないように。運転する側はもちろん、歩行者も気を付けなければならないでしょう。
今年もあと2ヶ月。新型コロナウイルスに振り回された1年でしたが、徐々に街は活気を取り戻しつつあります。久しぶりにドライブに行く人も増えるでしょう。運転する際は、身体も気持ちも万全の状態で臨み、スピードの出しすぎにはくれぐれもご注意を。マナーを守ってドライブを楽しみましょう。
参考記事
4日付 朝日新聞朝刊(東京14版)3面「13都県で死者数増加、なぜ? 交通事故、全都道府県で減少だけど― 1~9月」