ペーパーレスはそのままに

分厚くて重そうなレジュメの束を抱え、慌てて大教室に入ってくる教授。「印刷に時間がかかっちゃって」と額の汗を拭い、前回までの授業で余ったレジュメも、休んだ人のためにドンドンと前の机に並べます。授業の最終回では、その束は授業一回の全員分のプリントよりも多くなっていました。テストによる評価が100%の授業では、全く教室に来ない生徒も少なくないのです。印刷物の中には、一部に少し目を通す参考程度の資料もありました。

「もったいないなあ」と思って見ていたこんな光景も、最近は目にすることがありません。リモート授業になり、授業で使うレジュメもスライドも全て学校の資料サーバーから共有できるようになったからです。

コロナ禍でオンライン授業に切り替わったのは、筆者が奮発して愛用のタブレット端末を購入した直後でした。スケジュール帳、TO DOリスト、学校の勉強の資料、新聞スクラップ、あらたにすの原稿と、全てノートアプリで管理しているため、この端末一台あればいつでもそれらにアクセスできるようになりました。

 

▲筆者のスケジュール帳。メモアプリに無料カレンダーのPDFを取り込み、タブレット対応のペンで直接書き込む。いちいちアクセスしていた図書館のサイトのカレンダーも、スクリーンショットした画像をワンタッチで挿入。

 

▲新聞スクラップ。スキャン機能でスキャンした画像を関連項目ごとのノートに貼り付けて管理。

 

とくに便利なのは、やはり大学の講義資料。授業ごとに配布され、増えるばかりの紙のレジュメは保管場所に困っていましたが、それも解決。先ほどの「参考程度の資料」も、PDFをそのままノートアプリに取り込んで参考箇所に線を引いたり、必要な部分だけスクリーンショットをして授業のレジュメの該当箇所に挿入したりと無駄がなくなりました。パワーポイントのみで進められる授業も、授業スライドのPDFに必要なメモをそのまま書き込むことができます。

 

▲教授作成のレジュメのPDFをダウンロードし、そのままタブレットから書き込むことができる。

 

コロナ禍で急激に進んだオンライン化。私の通う大学も例に漏れず、今年度中は原則オンライン授業です。zoomを使った映像での授業は集中力が続きにくく個人的に苦手ですが、この長いオンラインキャンパスライフで定着した無駄のない資料共有の仕組みは、対面授業に戻ってもそのまま残ってほしいと思っています。

新しいパソコンの購入を検討している学生の方は、PDFへの編集が自由自在なタブレット端末も選択肢に入れてはいかがでしょうか。

 

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