「地方にいるよりも都会に出ていきたい」。こう思う若者は少なくないでしょう。私も地元で働くよりも東京で働きたいと思っている学生のひとりです。若者の願望をそのまま反映するかのような統計を1日総務省が発表しました。
1月1日時点の人口動態調査によると、国内の日本人の人口は1億2616万人で、昨年より27万人減り、6年連続の減少となりました。都道府県別にみると人口が増えたのは、東京、沖縄、埼玉、神奈川、愛知、千葉の6都県のみでした。東京圏への一極集中が進んでいることがわかります。
一極集中を止めるには「地方創生」を進めなければなりません。魅力的な雇用が少ないから都市部への人口流出が進んでしまいます。その地方ならではの特色ある職場を生み出すことを国がサポートする必要があります。自治体がその地域の「売り」を自ら発信できたならば、働く人も訪れる人も増えるのではないでしょうか。関東圏の地方都市に住む筆者にとって、今地元で働くということはまったく考えられません。簡単に東京に出られるのだから、たくさんの雇用がある東京で働きたいと思います。しかし、もし地元に自分がしたいと思える仕事があるならば、そちらを選ぶかもしれません。近くで親や祖父母の面倒を見ることができ安心です。
そして人口減少に歯止めをかけるためには、安心して出産し育てられる環境を社会全体で作っていくことが求められます。女性が産休や育休を取ったとしても気兼ねなく職場に戻れることや、保育園の拡充、それに男性も育休を取れる環境づくりも重要です。
このままでは人口は減っていく一方です。国や自治体が対策を講じなければどうにもならない状況になってしまいました。人口減少、一極集中に対処するには、多くの問題を同時進行で解決する国の指導力が欠かせません。
参考記事:2日付朝日新聞朝刊(東京13版)3面(総合面)「人口減6年連続」
2日付日本経済新聞朝刊(東京14版)2面(総合面)「人口、最大の27万人減」