空の旅 新たな日常定着へ

空の旅を安心して楽しむために。定期航空協会は、乗客のマスク等着用に関する業界共通の案内を新たに作成しました。航空各社が足並みを揃え、対応に乗り出しています。

このような状況になったのには、機内で相次ぐトラブルが理由に挙げられます。今月に入ると、国内線の旅客機が臨時着陸する事態にまで発展しました。客室乗務員をマスクの着用を拒否した男性客が威圧するトラブルが発生し、最終的に航空法73条の「機内の秩序を乱す安全阻害行為」に当たるとされたためです。「臨時着陸」という異例の判断に対しては、称賛、批判をはじめ様々な声が聞かれました。皆さんは、どのように受け止めたでしょうか。

もし自分が同乗していたら。そう思うと、筆者は臨時着陸を願うことでしょう。機内は、閉鎖された空間です。狭い箱で、不特定多数の人と長時間過ごす状況には、毎回緊張します。ましてや、今はコロナ禍。感染予防にも気を回さなければなりません。いつも以上にピリピリした雰囲気であることは容易に予想できます。そこでのマスクトラブル。もちろん遅延により迷惑を被る方も多かったでしょう。一方で、不安を抱き、遅延してでもトラブルを収めてほしいと思う方も、少なくなかったと考えます。

とはいうものの、今回のトラブルは防ぐことが出来たのではないかという批判の声も共感します。新たに作成された案内にある

・着用が難しい場合は、事前に申し出る

・地上係員や客室乗務員から指示があった場合は、必ずマスク等の着用をする

などについては、既に取組んでいた航空会社もありました。国内の航空業界全体の足並みが揃っていなかったことも、トラブルの遠因になったように感じます。

10月1日からは、東京もGoToトラベルキャンペーンの対象になります。飛行機を利用する人も増えることでしょう。空の旅が、多くの人にとって変わらず安心して楽しめるものであるために。機内においての「新たな日常」が、この度作成された共通の指針によって定着することを期待します。

 

参考記事:

19日付 日本経済新聞朝刊(東京12版) 11面(企業)「日本の航空各社 乗客マスク着用 共通の案内作成」

5月29日 日本経済新聞電子版「搭乗時はマスク着用で手荷物少なめに JALが新方針」

9月10日 朝日新聞DIGITAL 「(#ニュース4U)マスク着用「お願い」頼みなの? 乗客が拒否、ピーチ機臨時着陸」

参考資料:

読売新聞の医療・健康・介護サイトyomiDr.HP

「機内でマスク拒否し「非科学的だ」と乗務員威嚇…関空行きピーチ、臨時着陸して男性客降ろす」

定期航空協会HP

「新型コロナウイルス感染拡大防止のための、お客様へのお願い(マスク等の着用について)