UberEats 便利だけれども、、、

巣ごもり需要の増加により、利用者が増えたUberEats。お店もイートインがあまり出来ないなか、売上を確保するために加盟するところが急増しました。私の家でも、作るのに手間がかかる料理が簡単に食べられるので重宝しています。それに授業の合間でご飯が作る余裕がないときにパッと注文することができるのも便利です。

一方、それまで飲食店でアルバイトをしていた学生には、新たな収入源となっています。シフトを減らされたことで困っていた人々が、運搬役に転じたわけです。ただ、このUbereEatsのアルバイト、個人事業主として委託される形の契約のため、労働法が適用されず、事故にあっても労災が適用されないなど、その働き方の保護については何も整備されていません。労働組合は、厚生労働省に労災保険の適用範囲を広げるよう要望しました。

労働組合のホームページによると、「事故やケガの補償」、一方的に仕事を回されないなどの「運営の透明性」、料金が距離に応じてではなく一律であることから「適切な報酬」の3点が不十分と指摘しています。

今回はそのうちの「事故やケガの保証」がないとして訴えているのですが、上の3点がないがしろにされているがゆえに生じている問題点があります。街中で、よくUberEatsのリュックを背負ったバイクや自転車の人を見かけるようになったのですが、運転のマナーが良くない人が混じり、事故が多発しています。また、配達される食品が崩れてしまっているといった質の低下の問題もあります。

簡単に宅配の依頼をできるからこそ、より安く店の味を楽しめるのは事実です。しかし、新しいシステムをより多くのひとに信頼してもらい浸透するためにも、UbereEats、厚労省ともに対策を講ずべき問題がいくつもあるようです。先ほどの労組の指摘は、今後働き方がますます多様になる中、その先例となり得る訴えであると感じました。

今回のコロナで、非正規雇用の人や派遣の人、また個人事業主の方は保証が不十分なうえ、立場が不利なゆえに、不当な欲求をのまなければならない実態が露呈しました。このまま続くと、日本の労働環境が経済システムの変化から取り残され、ますます富裕層と貧困層の経済の格差が広がってしまいます。

参考記事
8月14日付 朝日新聞 4面(愛知13版) ウーバー配達員労組「労災保険拡大を」

参考資料
ウーバーイーツユニオン 「私たちの主張・欲求」
https://www.ubereatsunion.org/