お盆帰省 国や自治体の対応に違和感

 

気づけば8月に。年明け早々に韓国留学を終えて、東京に引っ越してきたころはまだ長袖だったのが、いつの間にか半袖の季節になってしまいました。梅雨明け宣言があってからは、筆者の住む町でもセミの音が。ミンミン、ミンミン、毎日を精一杯生きているようです。

さて、夏の一大イベントと言えば、お盆帰省です。対馬で暮らしていたころは、祖母のいる熊本に。上京してからは、対馬に帰っていました。筆者には、父方・母方合わせて計15人のいとこがいます。冬は受験で忙しいので、夏によく集合していました。お盆帰省は、普段会えない親戚たちと再会する大切な行事なのです。

しかし、今年はどうでしょうか。新型コロナウイルスの影響で帰省できそうにありません。残念ですが、これも家族のため。我慢するしかありません。それと同時に、国や自治体に不満が募ります。

まず、昨日行われた西村康稔経済再生担当相の記者会見。お盆帰省について、実家におじいちゃんやおばあちゃんがいる場合、無症状の若い人から感染してしまう可能性があるため、慎重に考えなくてはならない、と言っていました。家族だけの旅行なら、感染対策をしていればやってもよく、お盆帰省だけは慎重に、そう言わんばかりです。何がどう違うのか会見だけでは分かりませんでした。

今日開かれた記者会見で、菅官房長官が、政府として、お盆帰省を一律に控えるよう呼びかけていないとフォローしていました。それならそれで、感染者が増えつつあるこの時期に、よくそんな中途半端な姿勢がとれるなと思えてなりません。

また、地元対馬市が実施しているキャンペーンにも違和感を覚えます。「おかえり!またこんね!!キャンペーン」は、対象期間中に島に帰省をした人に、5000円相当の特産品を贈るというものです。市は、新型コロナウイルスの影響に伴いゴールデンウイーク期間中の帰省を自粛するよう呼び掛けました。このキャンペーンは、その時に我慢してくれた人たちへの感謝の気持ちを表すものらしいのですが、果たして今やるべきでしょうか。

島の医療体制は脆弱です。だから帰省の自粛をよびかけていたのに、なぜこの時期にそれをひっくり返すようなキャンペーンを張るのか。感謝の気持ちを表すなら、いま帰省を我慢し続ける人にこそ特産品を贈るべきです。島でも感染者が確認された今、キャンペーンの延期や中止も考慮に入れるべきだと筆者は、故郷を思う一人として考えます。

3月に地元に帰省をして5か月弱。そろそろ対馬の海や海産物が恋しくてたまりません。海は東京近郊で我慢し、海産物は対馬観光物産協会のオンライン・ショップで取り寄せます。今できる範囲で、今年の夏も楽しみたいと思います。皆さんもコロナとともに熱中症にも気を付けてお過ごし下さい。

 

参考記事:

8月3日朝日新聞総合3面(東京13版)「「帰省慎重に」西村担当相が見解」

 

参考資料:

対馬観光物産協会ホームページ