東京都知事選 やはり気になるコロナ対策

4か月ぶりに部活に参加しました。学内の体育施設が利用できるようになり、筆者が所属するフィールドホッケー部では週に数回、簡易的なメニューでの練習を再開しました。

グラウンドに出現する狸の足跡 約4か月ぶりの再会(5日筆者撮影)

久しぶりに行くグラウンドで、癒しを発見しました。前日からの雨でぬかるんだ地面に狸の足跡がくっきり。山に囲まれたキャンパスならではの光景です。先輩の中には、練習後に狸が歩く姿を見た人も。筆者はその姿を見たことはありませんが、たびたび出現するこの足跡を見るたびに微笑ましくなります。コロナで止まっていた日常が動き始めたような気がしました。

狸というあだ名で知られる徳川家康から始まった江戸時代は、感染症との戦いの時代でもありました。特にパンデミックの一つとされるコレラは、外国との交易が理由で流行しました。文久2年(1862)以降幕府はコレラ対策として、各国行使に健康に関する証明書を持参しない船舶は入港しないように申し入れました。今で言うところの水際対策。しかし幕府は感染の広がりを抑えることはできず、結局3回に渡りコレラは人々を苦しめることになるのです。

時を戻し、令和2年7月5日。お江戸東京では都知事選挙が行われました。新規コロナ感染者が確認され続ける中での選挙は、静かに始まり静かに幕を閉じた印象です。筆者が住む地域に選挙カーがやってきたのは、片手で数えられる程度。街頭演説もありませんでした。やはりコロナ禍での選挙は今までと同じという訳にはいきません。

特に投票所の感染予防は念には念を入れて。午前11時半ごろ、選挙管理委員会によるアナウンスをグラウンドで聞きました。「投票所はコロナ感染対策を行っているので安心してお越しください」。気がかりは、感染を恐れた人が投票に行かないこと。投票所入場整理券に同封された台紙にも感染対策に関するお知らせが。

八王子選挙管理委員会からの感染予防に関するお知らせ(6日筆者撮影)

筆者が投票所に向かったのは午後1時半ごろ。入口でしっかりとアルコール消毒しました。体育館の全ての窓、扉は換気のため開け放たれ、従来よりも少ない受付の方にビニールカーテン越しに入場整理券を渡します。マスクに、ビニール手袋。投票用紙を受け取ると「アルコール済み鉛筆」を使うように案内されます。持参した鉛筆を使ってもよいとのこと。記載所もソーシャルディスタンス。間を空けて書くよう、いくつかの台はビニールテープで封鎖されていました。使用済みの鉛筆を専用のかごにいれ、投票を終えたら出口で再び消毒。3分ほどの間に誰ともすれ違うことはありませんでした。

立候補者の選挙ポスターがずらり(筆者撮影5日撮影)

イレギュラーな中行われた選挙を制したのは、現職の小池百合子氏。コレラが江戸時代に幾度も流行したように、コロナがこれ以上私たちの生活に影を落としませんように。的確で迅速なコロナ対応を望むばかりです。

 

参考記事:

6日付朝日新聞朝刊(東京14版)1面「小池都知事再選」関連記事23、24面

同日付日経新聞朝刊(東京13版)1面「都知事に小池氏再選」関連記事3面

同日付読売新聞朝刊(東京13版s)1面「小池都知事が再選」関連記事2、26面

5月25日付朝日デジタル「疫病 危機と克服の歴史