商店街、タピオカ、鴨川…緊急事態宣言解除後の京都を歩く

新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言が解除されてから最初の週末を迎えた京都市。コロナ禍以前の京都市は、オーバーツーリズムが深刻な問題となるほど多くの観光客が訪れていた。それが一変、観光客は激減し、京都市はここ2、3ヶ月閑散としていた。

そんな京都市であるが、21日に緊急事態宣言が、23日に休業要請が解除された。つまり、本格的な社会・経済活動が再開し始めたのである。
24日の日曜日、私は中心地・河原町を訪れて、町の様子を確認してみることにした。

最初に訪れたのは河原町商店街だ。まず感じたことは人の多さである。写真1を見てもらえればわかるように、人通りはかなり多かった。もちろん、コロナ以前の状態とまではいかないものの、肌感覚では最盛期の6割程度までは戻っていたように思う。

(写真1)河原町商店街の様子。人通りは多かった。画像一部加工。5月24日、筆者撮影。

次に訪れたのは商店街内にあるいつも行列ができていたタピオカミルクティー専門店。店頭では以前ほどではないが、ちょっとした列ができていた。「コロナ期間中はずっと家にいたので、タピオカ飲むのは本当に久しぶり」。女性客の一人は笑顔で語ってくれた。

河原町から西へ数分の距離にある鴨川にも訪れた。鴨川名物といえば、カップルたちがきっちり等間隔で河川敷に並んでいる「等間隔カップル」だ。新型コロナウイルスの影響で一時期は姿を消したとも報じられていた。しかし、久しぶりに訪れてみると完全復活していた。河川敷で恋人と肩を寄せ合っていた男性は「涼しくて気持ちいい。彼女と安心して来れるようになって嬉しい」と話してくれた。

(写真2)鴨川の様子。「ソーシャルディスタンス」を保って座っている。5月24日、筆者撮影。

緊急事態宣言解除後の京都市は徐々にではあるが、日常を取り戻し始めていた。商店街で心置きなく買い物ができ、タピオカミルクティー専門店にも並べ、鴨川の河川敷で恋人と語り合える。数日前まで非日常の中にいた私にとって、これらの光景は日常の有り難みを改めて感じさせてくれた。この日常がこれからも続くよう、私たちは感染拡大防止に努めつつ、社会・経済活動を進めていく必要があるだろう。

参考記事:

26日付 朝日新聞朝刊14版1面「緊急事態 全国で解除」