オリンピックがもたらす希望の光

 世界中が新型コロナウイルスによる激動のなか、今夏に開催するはずだった東京オリンピック・パラリンピックも1年延期することになりました。そんなオリンピックですが、昨日の朝日新聞には2016年のリオ大会で始まり、東京でも採用される「難民選手団」を紹介する記事がありました。

政治的な理由などで祖国にいられなくなったアスリートにもオリンピック出場のチャンスを。そんな思いから採用されたこの制度。候補選手は祖国での出場を望みながらも、危険な故郷に戻ることが出来ないため難民代表として支援を受けながら晴れ舞台を目指しています。

難民の問題は、私たちになじみの薄いものかもしれませんが他人事ではありません。日本にも難民申請は2019年だけで1万375件あり、44名の方が難民認定を受けています。また、国連難民高等弁務官事務所によるとこの十年で難民の数は2倍に増えており決して無視できない社会問題であると思います。

難民支援のボランティア活動をしている知人がいます。彼が訴えるのは、決して望んで祖国を離れているわけではないということ、また故郷を思っており帰ることを望んでいる人もいることでした。

苦しい生活を送っている難民の方々にとって、夢を追うことは希望の光になるのではないでしょうか。そんな選手がいつか故郷の平和のために競技ができるようになることを願うばかりです。

東京オリンピックのモットーは、「United by Emotion」。人々がコロナの苦境を乗り越えた先にある大会となるでしょう。世界中のひとが、壁の向こうに思いを致して互いを認め合うことができるよう、難民の問題について深く理解し誰かに伝える、募金するなど小さくても私たちもできることを考えていきたいと思います。

5月6日付 朝日新聞朝刊 9面 「難民選手団 故郷に追われた先の光」