自分の能力に自信のないそこのアナタ。
そんなアナタに朗報です。自分に自信を無くすのはまだ早い。アナタに秘められた能力は隠れているだけ、まだ十分に発揮できていないだけかもしれません。
無意識の反応を利用して仕事の効率を向上させる研究が活発化しています。
日本経済新聞によると
東京大学の広瀬通孝教授らは、時計の秒針を見ながら作業すると、作業の速度が秒針の速度に影響されることをつきとめた。実験では、秒針の速度を1.5倍に速めると文章を入力できる量が8%増加した。誤入力の頻度は変化しなかった。
この他にも、視覚に対する無意識の反応を活用しIT機器をよりスムーズに操作できるようにするNTTの研究開発や、うなずきや上半身の無意識の動きを検知してコミュニケーションの質を評価する東工大と日立の共同開発などが紹介されています。
私たちの活動の成果が努力することなしに向上するというのは、好都合な話です。しかし、これらの研究は実験室で効果が確認されただけでまだ実用化への課題は山積みです。これらの技術を利用した際にあらわれる疲労などの副作用への懸念、人の行動を操作したり、監視したりできる時に生じる倫理面の問題。ただ、こういった問題は利用者の同意さえ得られれば解決できるような問題であるような気がします。
それよりも気になることがあります。今までなら長時間作業をすれば、疲れで中断せざるを得なかったような仕事が、作業効率が上がったおかげで難なくこなせるようになり、最後には限界を感じられなくなる。そういったことが起こるのではないか気がかりです。現状ではそこまでの事態が起こるほど作業効率が向上するようには思えないので取り越し苦労であるかもしれません。
でも、技術の利用による直接的な恩恵や弊害だけでなく、間接的に生じる影響や副作用も考慮しなければなりません。例えば、スマートフォンは便利な携帯電話として広がりましたが、それと同時に世の中の人々のライフスタイルも大きく変えてしまいました。
人の無意識に作用する技術が社会に広がっていった先には、現在の私たちが予想もしなかった未来が待ちうけているかもしれません。
参考記事:12日付朝刊日本経済新聞(東京12版) 14面科学技術 「「無意識」に作用 仕事の効率向上」