知らなかったスポーツの「音」

新型コロナウイルスの影響で、各スポーツ界では試合やイベントが次々と延期、または中止を発表しています。そういった現状の中、「無観客試合」を開催しているスポーツがあります。サッカー、野球、相撲など、ファンの熱い声援が印象的なスポーツです。実際に、テレビで放送しているので、いくつか観てみました。

プロ野球のオープン戦。日本野球機構(NPB)とプロ野球12球団は、2月29日から3月15日までの計72試合を、無観客で行うことに決めました。これは、プロ野球史上初の出来事です。それにより、選手も異様な雰囲気に戸惑いを隠せません。しかし、テレビで試合観戦をしていると、新しい発見でいっぱいでした。

「バシーン!!」「カーンッ!!」

いつも以上に色んな「音」が聞こえてきます。ピッチャーの投げる球をキャッチャーミットで受ける音。好打の時の快音。筆者は小さい頃から何度も野球場に足を運び、現地の雰囲気を楽しんできました。しかし、この「音」に関しては、日本特有の明るい応援歌で消されてしまい、なかなか聞くことが出来ません。他にも選手同士の声援や審判の声など、テレビを観るだけで貴重な体験が可能です。

また、同じく史上初となった大相撲三月場所。筆者自身、あまり相撲を観戦したことがないのですが、こちらも力士同士がぶつかり合う音に驚きました。そして、一瞬で勝負の決着が付く緊張感が周りの沈黙により、一層強く感じました。力士も頭の中で観客がいるとイメージするなど、独自の方法でセルフコントロールをしています。

選手やファンにとっては非常にもどかしい時期だと思います。無観客試合だとマイナスな面にどうしても焦点が当たってしまいますが、こんな時こそポジティブに考えることが大切です。どちらも苦しいのです。「この状況をむしろ楽しむぞ!」という考えによって、スポーツの新たな一面が発見出来るかもしれません。

参考記事:

9日付 朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞朝刊 大相撲春場所関連記事