今年もこの季節がやってきました。つらいスギ花粉の季節です。筆者は花粉症で、毎年春先から症状に悩まされています。目の痒みや鼻づまりなど、症状は様々。少しずつ温かくなり、春の気配を喜ばしく感じる一方、また花粉症の季節がやってきたと憂鬱にも感じます。
同じように症状に悩まされている人は少なくないはずです。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会の調査によると、日本人における花粉症の有病率は、2019年までの20年間で約2.5倍に増加しているといいます。
(1998年、2008年、2019年の有病率 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)
中でもスギ花粉症の割合が高く、国民の3人に1人とされています。少し前まで花粉症ではなかったのに今では症状に苦しんでいる、といった方もいるかもしれません。筆者もその一人です。ここ数年で症状をより強く自覚するようになりました。
なぜそれほど花粉症の有病率が高くなっているのでしょうか。東京薬科大学の安達禎之さんによると、いくつかの原因が考えられます。戦後に木材を確保するために植えられた大量のスギが成長し、年々花粉の生産量が増加していること、アスファルト舗装をはじめとした道路整備が進み地面に花粉が吸収されず空中に舞い上がり吸い込まれやすくなったこと、などです。
ここでは、対処法をお伝えしたいと思います。筆者が一番手軽に取り組めると感じたのが、花粉そのものを出来るだけ体内に入れないように工夫することです。外出時は、眼鏡やマスクを着用したり、帰宅時にアウターを外で脱ぐようにしたり、手軽な工夫で取り組めます。また、症状を和らげるといわれている緑茶やルイボスティーといった飲み物を口にするのもおすすめです。気休めかもしれませんが、筆者自身、少し症状が和らいだように感じました。
しかし、治療をしない限り根治はしないといわれています。花粉症の薬や治療法はいくつもあります。2月26日付の朝日新聞では、舌下免疫療法が紹介されていました。スギの成分を含む錠剤を1日1回、舌の下で1~2分間溶かしてから飲み、徐々に体を花粉に慣らしていく方法です。症状が改善したとの声もありました。治療期間は3~5年が推奨されています。
すぐに出来る対策から本格的な治療法まで自分の症状に合う対処法を探しながら、花粉症に負けず、春を楽しみたいものです。
参考記事:
2月26日付 朝日新聞朝刊(社会)「花粉、戦う?逃げる? 今月下旬からピーク 「舌下免疫療法」に根治期待」
参考資料:
NHK「【花粉の言い分】花粉症の増加は人間のせい⁉花粉症が がんを抑制⁉」