30年後の世界は、日本はどうなっているのか、楽しみでもあり同時に多くの不安もあります。目まぐるしいスピードで技術が進歩し、生活しやすくなる半面、経済面や外交面、環境など抱える問題が多くなり、深刻さを増しているのも確実です。自分の周囲のことにしか関心がないと言われている私たちですが、もう少し広い世界に目を向け、日本の未来をイメージし、深く考えることが必要な気がします。この場が、みなさんと日本の未来を一緒に考えられる場になるといいなと思っております。
さて、今日は、私たちの生活に欠かせない“食べモノ”に関する話題です。
カロリーベースの食料自給率が、日本は先進国の中で最低水準であることはみなさんもご存じだと思います。農林水産省の食料自給率のデータによると、平成23年度時点で、1位のカナダが258%、次いでオーストラリアが205%、フランスが129%と高いなかで、日本はわずか39%しか賄いきれていません。食生活の変化によって1日に口にする多くの食品を輸入に頼っている現状があります。
そんな日本が、頼りすぎたために影響を受けた問題も記憶に新しいでしょう。マクドナルドのフライドポテトの販売が一時止まってしまったことです。アメリカ西海岸での労使対立により港湾作業が遅れ、輸出が滞ったあおりを受けました。我が国のポテト好きをはじめ、多くの人が身近な店の人気商品が手に入らなくなったことに大きな衝撃を受けたことでしょう。ケンタッキーフライドチキンも同様にポテトの販売休止を決定しました。私は気が付かなかったのですが、この他にも豚肉やオレンジなどの食品が、輸出国内での問題の影響を受けているようです。輸出の停滞に天候不順、さらには円安が加わりオレンジ、レモン、クルミ、カボチャなどの果実類は、前年の同期に比べて3割~4割ほど値段が上がっているとのことです。また、豚肉は品薄。ファミリーレストランやスーパー、豚カツ屋は頭を抱えているようです。
フライドポテトの一件は、アメリカでの労使関係が原因でしたが、日本が他国から影響を受けやすいことはさらに明白になったと思います。日本の食料自給率は本来どうあるべきなのでしょうか。自給率の低さが引き起こす問題は?日本の“食べモノ”の未来はどうなるのでしょうか。
参考記事:1月24日付 日本経済新聞 3面 「米産食品の輸入停滞」