子供を持ちながら働く女性の代わりに掃除、洗濯、炊事、買い物などの家事を行ってくれる家事代行サービス。これからの時代に欠かせない分野といえますが、政府は来春から外国人による家事代行サービスを解禁することを発表しました。人手不足が深刻な家事代行の担い手を増やして女性が仕事をしやすい環境を整え、経済成長につなげるのが狙いです。
これは日本にとって挑戦的な戦略になるかもしれません。私がフィリピンの実家に5年間滞在していた時に、母親がメイドさん(現地語でヤヤ)を雇っていたこともあり、大変世話になった経験があります。そのメイドさんは家事全般だけでなく、当時幼かった妹や従兄たちのお世話もしてくださって、とても優しい人でした。
一方で様々なトラブルもありました。母親が友達のつてで雇った二人目のメイドさんと対面した時「この人ならしっかりやってくれるだろう」と信じていましたが、母親との価値観の衝突により雇ってから数か月後に解雇したり、そしてその次に雇った人が寝静まった真夜中に金品を盗んで逃走したり。
記事には「人材派遣大手パソナは、フィリピンの人材会社と提携。現地で研修を終えた25人を受け入れ、来春にサービスを始める」と書かれていますが、人種、言語、価値観が全く違います。そういったトラブルに対し、どのように対処するのか気になる所です。
とはいえ、フィリピン人にとって日本はお金を稼ぐのに理想の国であり、また日本人にとってフィリピン人の外国人労働者としての質は高いと確信します。互いが成果を得る形で、このサービスが拡充されることを期待したいものです。
12月10日付け 朝日新聞朝刊 14版3面 総合3 「外国人家事代行 来春から」