今も愛され続けるレトロ自販機 昭和の面影が生み出す特別な時間

神奈川県の国道を通っていると見慣れない自動販売機が集まっているコーナーが目に入りました。覗いてみると、うどんやそば、トーストから瓶コーラまで街中ではあまり見かけない商品ばかりが並んでいます。

街中では見かけない自販機が並んでいる(9月20日、筆者撮影)

 

これらの自動販売機は1970年代に製造され、車を運転する人々が小休止をとるピットスペースのような場所に設置されていたそうです。うどんやそばだけでなく、レトルトカレー、弁当、みそ汁まで多岐にわたる商品が展開されています。

その中でも筆者はそばの自販機に魅かれ、買ってみました。値段は一杯400円。代金を入れてボタンを押すとカウントダウンが始まり、30秒ほどで完成します。自販機の下のスペースに箸や七味唐辛子が入っており、一台ですべてが完結するように作られています。

自販機で購入したそば(8月20日、筆者撮影)

自販機で購入したそば(9月20日、筆者撮影)

 

 

さらに自動販売機での瓶コーラの購入方法にも衝撃を受けました。通常の自販機では商品を選びボタンを押すのが一般的だと思います。しかし、この自動販売機は小さな冷蔵庫のような形をしており、横向きに並んでいる瓶を自分で引き、取り出す必要があります。栓抜きも取り付けられており、抜かりない仕組みに驚くばかりでした。昭和の時代にタイムスリップしたような感覚を覚えました。

筆者が訪れた日は雨が降っていましたが、家族連れやカップルも訪れていました。ここに並ぶのは「レトロ自販機」と呼ばれ、密かに話題になっているようです。このような自販機コーナーは全国でも数を減らしていますが、北関東や中国地方では比較的多く残されています。

減少した理由として、コンビニエンスストアの増加が考えられます。日本の高度経済成長期である1960年代末から70年代にかけて24時間営業のコンビニが出店され始めました。83年頃には約6300店まで数を増やし、2026年現在では全国で約5万7千店ほどになっています。食料から日用品まで揃っているコンビニですが、便利な一方で人手不足や24時間営業に関わる課題、フランチャイズ契約上の問題も生じています。

コンビニやスーパーでなんでも揃ってしまう中、レトロ自販機を利用したことで、どこか自分自身の知らない懐かしいものの良さを感じました。古き良き機械が愛され続ける理由やこの場所を目指して集まる人々の想いに触れられた気がします。

 

参考資料:

日本フランチャイズチェーン協会 統計データ

https://www.jfa-fc.or.jp/particle/320.html