セネガルで本格的な日本料理を! 移住から開業するまでのお話を伺いました

セネガルのレオポール・サダール・サンゴール国際空港(旧ダカール・ヨフ空港)付近には日本人が営む日本食レストランがあります。アフリカ西海岸を旅するなかで、セネガルに移住した日本人から、海外でお店を開くことの難しさや経緯についてお話を伺いました。

 

セネガルの首都ダカールでお店を営むのは原田翔太さん(38)。移住してから12年になるといいます。原田さんは18歳の時のインドやネパール、タイへの一人旅がきっかけで海外に魅了されました。その旅行の中で西アフリカを訪れる日本人は少ないという話を聞き、興味を持ったそうです。東京都の同じ飲食店で働いていた同僚のセネガル出身者と一緒に初めてセネガルへ訪れ、貧困や発展途上ともいえない場所だろうという想像との違いに衝撃を受けたといいます。そして、現地の人々と話す中でいつかこのような人たちと仕事がしたいと思うようになりました。

お話を聞かせてくれた原田翔太さん(2月15日、筆者撮影)

 

西アフリカ各国を巡る中で、日本食レストランはあっても日本人が料理を作る店は少ないと感じたそうです。そのわけは原田さんが家族でセネガルに移住した2015年にアフリカ全土にいる日本人の数を知れば理由が見えてきます。外務省の統計によると、当時アフリカの日本人移住者は8020名ほど。たとえば、北米の40万5864人と比較するとその違いは歴然です。それだけマーケットも小さいことになります。それでも飲食店をやりたいという思いは強く、家族のことも考えながら開業できる場所、住める場所を探し、セネガルへ辿り着きました。

 

一番大変だったことはレストランを経営する上でのビザだったといいます。長期滞在や飲食店を開くうえでのビザの取得に1年以上の時間がかかり、その間は店内での飲食の提供ができず、お店で作ったお弁当の配達などをしていたそうです。ちなみにセネガルの公用語はフランス語。現在でも言葉の壁を感じることもあるそうです。お客さんとのやり取りで使用するフランス語やウォルフ語は移住する前のホームステイ先の日常会話など、独学で習得しました。

 

お店にはアフリカ系の方も来るものの、ヨーロッパ系が半分以上を占めるそうです。少ない割合ですが中国や韓国などのアジア系の方や中東の方も訪れます。日本からは2026年になってから50名ほどが来店しているそうです。開業当初は寿司が人気メニューだったのですが、現在はラーメンの注文数が多くなっているといいます。海外の方から見た日本食のイメージが変わってきているのかもしれません。寿司は2貫で3500CFA、日本円で約990円。ラーメンは7500CFA、日本円で2100円ほどとなっていました。メニューには寿司やラーメン以外にも丼もの、天ぷら、から揚げ、お餅を使ったデザートなどの料理が提供されています。材料についてはセネガルの食材で調理していますが、セネガルでは手に入らない食材や日本の調味料などの味の違いによっては日本から輸入しているそうです。

セネガルの首都ダカールにある日本食レストラン「大和」(2月18日、2枚とも筆者撮影)

 

原田さんは今後、農家の方と協力していく計画です。セネガルでは日ごろ買えないような野菜などを使った料理を提供するのです。現状を分析し常に新しいことへ挑戦することについての大切さを改めて感じました。セネガルもガンビアと同じように新鮮な野菜が街中でたくさん売られており、それぞれの地域の特徴を生かしていきたいと話してくれました。

 

 

参考文献:

外務省 海外在留邦人数調査統計

https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/tokei/hojin/index.html