ネットフリックス、アマゾンプライムビデオなど、ここ最近、定額課金型の「サブスクリプションサービス」を使っている人が多いのではないでしょうか。筆者もその一人です。数あるサービスから、自分にあったものをどうやって見つければいいのでしょうか。今回は、音楽のサブスクリプションを実際に使用し、比較しました。学生目線で、気づいたことは―。
学生証明が面倒なものも
比較したのはSpotify、Apple Music、Amazon Music Unlimited(以下Amazon Music)、LINE Musicの4種です。有料会員になり、使い勝手を比較してみました。以下は、それぞれの特徴をまとめたものです。
(注)各アプリの情報は、公式ホームページ、App Storeを参考にしました。
※1プライム会員は780円。
※2LINE Musicは、2020年2月12日より一般が980円に変更予定。960円で契約している人は、一度退会しない限り、960円。
一般は1000円弱、学生は500円弱、6人まで使える家族料金は1500円弱と、値段にあまり差はありません。曲数は、一番少ないものと多いものでは1500万曲の差がありますが、よく再生される曲のランキングはどこも同じでした。使ってみると似たり寄ったりだと感じました。
面倒なものと、そうでないものに分かれたのが学生料金で契約する時の証明の仕方です。例えば、LINEとSpotifyで比べてみましょう。Spotifyでは、大学名と氏名を入力した後に、書類の提出をしなければなりません。時間割表、成績証明書、履修登録確認証、学費の領収書、入学証明書といった書類をPDF、JPEGなどでアップロードして送らなければなりません。10~20分後、登録していたメールアドレスに審査結果が届き、学生料金で手続きを進めることができました。私は、時間割表のPDFをアップロードしましたが、少し面倒に感じました。一方のLINE Musicは、生年月日と大学名を入力するだけで完了でした。
Spotifyは先駆者、工夫凝らされている
似たり寄ったりの中で、Spotifyに他にはないサービスを二つ見つけました。
一つは、歌手のコンサートのチケットを入手できるページへのアクセスです。「Search」の「コンサート」をクリックすると、おすすめの歌手のコンサートの日時が表示されます。さらに、「チケットを探す」をクリックすると、購入画面に飛ぶことができました。普段はチェックしていないアーティストのコンサートに行きたくなった時も、簡単にアクセスできます。他にはない機能です。
二つ目は、ポッドキャストです。インターネット上で公開されている音声ファイルのことで、ラジオのようなものです。会社の収益が、音楽配信へ過度に依存するのを避けるために導入されたといい、13のカテゴリーから自分の好きな番組を選ぶことができます。英語の勉強がしたいと思えば、「TED Talks」や、「めざまし英会話」などを、芸人のトークが聞きたいと思えば、「オールナイトニッポン」を。自分の興味のある番組をダウンロードし、聞くことができます。Spotifyはスウェーデン発祥です。海外では、AIが分析したプレイリストとして、音楽に5分ほどのポッドキャストを混ぜることもあるそうです。
複数契約して、比較した方がいい
音楽アプリはどれも、利用者の好みを分析し、プレイリストを作成する時代になりました。登録すると一番初めに好きな歌手を10~20選択することが求められます。ですが、Amazon Musicだけは、それはありませんでした。些細なことかもしれませんが、違いがあります。
今回挙げたアプリには、いずれも無料体験期間が設けられています。サービスを提供する側としては、無料期間を長くし、気が付いたときには課金の時期に突入していた、となることを目論んでいると思います。使い方には注意が要りますが、この期間を活用して自分に合ったサービスを選ぶべきだと思います。私は先ほどの4種類を使ってみました。どれもまだ無料体験中です。もう少し時間をかけてどれを使っていくのか決めたいと思います。
音楽の定額配信サービスを利用する人は増えています。とはいえ、かつて主流であったiPodやウォークマンに、借りてきたCDをダウンロードして利用している人もいます。私の周りにも複数いました。友人は、「好きなミュージシャンしか聞かないから」とサブスクを利用する価値を感じないと話していました。特定の歌手しか興味のない人のニーズに応え、歌手の人数に合わせて定額で利用することができるサービスが生まれるかもしれません。
今後音楽のサブスクはどのように進化し、淘汰されていくのでしょうか。興味津々です。
参考記事
9日付 日本経済新聞夕刊 3面「アップルの無料「News」アプリ、利用者、月1億人を突破。
16日付 読売新聞朝刊 8面(経済)「東急グループ 定額制サービス 電車・バス乗り放題+映画見放題 月3万円など」
24日付 日経MJ(流通新聞) 6面「高額家電、サブスクから気軽に、LGやバルミューダ、間口広く。」