笑顔は人を幸せにする。ほっとさせる力がある。
日中首脳会談の話です。安倍首相と習近平国家主席が、アジア・アフリカ会議の場を借りて会談しました。5ヶ月前の2014年11月の会談が、両者が全く目も合わせず、緊張した雰囲気だったのとは全く異なるものでした。
今回のアジア・アフリカ会議では、安倍首相の演説が大きく注目されました。特に、歴史認識への言及についてです。「おわび」について触れなかった点について、私は「深い反省」を言葉で示したという理由から、問題はないと思います。むしろ、首脳の反応や他国のメディアがどのように取り上げるか、が大切だと思っています。
その点で、習主席の笑顔には大きな意味があったと考えます。一つ目は、やはり日本側の安心。日本側も、今回の演説が現時点では問題がなかった、と受け止めるのではないでしょうか。二つ目は、中国の反応に追随する他国の反応です。正直、アジア各国と欧米は、日本の演説内容そのものではなく、それに対する中国の反応に関心があり、今後の外交政策に関わってくるのだと考えます。
それにしてもなぜ習近平首脳は「笑った」のでしょうか。アジア・アフリカ会議の場であり、日中関係の良好さをみせることがアジア・アフリカ諸国との「新しい国際システムの構築」に効果的だからでしょうか。それとも、日本が今後、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加することを期待するためでしょうか。私は何か裏があるような気がします。
皆さんは、この「笑顔」の理由は何だと考えますか。
参考記事:
23日付 朝日新聞(12版)総合面「歩み寄り 日中に思惑」
23日付 日経新聞(12版)総合面「日中首脳、再会談は笑顔」
23日付 読売新聞(12版)総合面「首相 70年談話へ布石」