手動車いすで遠出できますか?

手動車いすに乗ったことはありますか?筆者は、祖母を乗せた車いすを押して街に出かけた経験があります。少しの段差でも苦戦し、でこぼこ道や砂利道は避けました。

10月24日から11月4日まで開催された第46回東京モーターショーでは、車いすに注目しました。国内車いすシェア90%を誇るヤマハのブースでは、車輪の中心部にモーター装置のある新しい車いすが展示してありました。

一番気になったのは、手動車いすに連結するだけで、電動車いすになる超小型歩行領域EVです。トヨタが2021年に発売予定のものに試乗しました。

歩行領域EVに試乗する筆者。10月23日、東京都江東区で筆者の友人が撮影。

まず、手動の車いすに乗ります。そのあと、前方にEVのハンドル部分を装着させます。最高速度は、時速2㎞、4㎞、6㎞と切り替え可能で、私は時速6㎞で専用コースを走り出しました。ボタン一つで前に進むことができます。コースの途中に、点字ブロックや横断歩道がありましたが、車体が傾いたり、大きく揺れたりすることはありませんでした。乗り心地はとても良かったです。「歩行領域EV」という名の通り、電気で動きます。約2,5時間の充電で約20㎞の走行が可能です。

手動車いすでは、自分で車輪を動かす場合、その大変さから行動範囲が制限されがちです。誰かに押してもらう場合にも、車体の揺れが負担になり、長時間の乗るのは大変でしょう。ですが、このEVを使えたら行動範囲を無理なく広げることができると思いました。トヨタのホームページによると、大規模施設や観光地でのレンタルを想定しているそうです。

モーターショーの人気にも陰りが見られ、「来場者が近年100万人を割っている」とトヨタの担当者が話していました。しかし、今日の朝刊では、2007年以来の100万人超えを記録し、130万9000人が訪れたと報じられていました。

車いすだけではなく、あらゆる人が自由に移動できるモビリティーが今後、街中で見られるようになるのが楽しみです。そんな変化の流れを映すモーターショーでした。

参考記事:

6日付読売新聞朝刊(東京14版)9面(経済)「東京モーターショー 久々の100万人超え」