皆さんはどこの携帯会社を利用していますか?やはり多数派は大手3キャリアでしょうか。近年ではいわゆる「格安SIM」の登場により、事業者が増加しています。筆者はといえば、格安SIMを提供する仮想移動体通信事業者(MVNO)に分類される会社のプランを利用しています。
もともとは大手キャリアの利用者でした。高校入学と同時に親名義で契約し、大学進学が決まってから、MVNOに本人名義で乗り換え、現在に至ります。乗り換えの決め手はズバリ、料金体系でした。大学進学後は通信費や交通費、食費、交際費といった生活費を自分で賄っているため、より安く、かつ通信品質の安定しているサービスを利用しようと考えたわけです。通信技術の向上で速度や品質が向上したとはいえ、筆者が初めて携帯電話を持った6年前に比べ、携帯電話の通信料は格段に高くなっています。
高く感じているのは学生だけではないでしょう。総務省は19日、世界の主要6都市でのスマートフォンのサービス料金の比較を発表しました。通信量の多いとされる20GBプランの場合、東京は最も高い月額7562円となり、これは最も安いパリ(同1783円)の約4.2倍にあたります。ロンドン(同2444円)や、ドイツのデュッセルドルフ(同3786円)の数字を見る限り、ヨーロッパは日本の半額以下で同様のサービスを買えるように見受けられます。
一方で、ニューヨーク(同5990円)、ソウル(同4445円)の数字からは、アメリカや東アジア地域で料金の高いことがわかります。菅義偉官房長官が8月に「他の国と比較すると高すぎる」と発言したことは記憶に新しいですが、データ容量によっては一概に言えないのかもしれません。
それにしても、パリの価格は安すぎるように思えます。同じ資料にある14年度の価格水準との比較では、約7割ほど安くなっているそうです。これは世界的にも起きているようで、その背景には格安SIM・格安スマホの普及があります。価格が高止まりしている日本は、こうした海外の現況から取り残されているとも言えるかも知れません。
こうした状況を受け、総務省は同日、情報通信審議会の電気通信事業政策部会を開きました。10月から専門研究会を設置し、料金引き下げに関する議論をしていく体制を整えます。大手キャリアからが懸念を示す中、総務省がどのように舵を切るのか、気になるところです。
改めて、契約している会社のプランを見てみました。20GB単品のプランは月額約4000円。海外の料金と比較すると、MVNOでさえも高く感じてしまいます。
パリとは言わずとも、ドイツくらいまで下がってくれないかなぁ。
参考記事:
20日付 朝日新聞朝刊(東京14版◎)37面(社会)「日本のスマホ料金 高い?中くらい?」
20日付 毎日新聞朝刊(東京14新版)7面(経済)「「携帯料金4割減」を議論」「東京 大容量は最高額」
20日付 読売新聞朝刊(東京14版)34面(社会)「携帯通信料 やっぱり高い」
20日付 日本経済新聞(東京13版)5面(経済)「日本、携帯料金高止まり」