三ヶ日も昨日で終わり、明日からいつも通りの暮らしが始まる方も多いかと思います。そこで今日は、お正月の恒例行事を取り上げ、その魅力を皆さんと考えていきたいと思います。
2日と3日、第91回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)が行われ、青山学院大学が往路、復路共に一位となり、初めての総合優勝を果たしました。毎年テレビで生中継されていたので、ご覧になられた方も多いのではないでしょうか。筆者も小さい頃から父の母校、日本大学を応援してきましたし、現在通う中央大学も毎年出場しているので、手に汗握りながら見ていますし、開催を楽しみにしています。
90回を超える開催数からも伝統やファンの多さを感じることが出来ますが、筆者のようにこの競技に魅了されるのは何故でしょうか。野球やサッカーなど、メジャーなスポーツに比べ、駅伝という競技を経験したことのある人は多くはないでしょうし、野球の甲子園やラグビーの花園、サッカーの国立など、学生スポーツの大会は数多く存在しています。加えて、箱根駅伝のファンの中には、自分の大学が出場していない人や大学に入っていない方もいます。自分の大学への帰属意識のようなものがあり、それが応援の原動力になっているように感じますが、出場校との関係がない方まで引き付ける魅力とは何なのでしょうか。駅伝という競技が日本人の価値観にあっているのではないかと考えています。襷を繋いでいくという連帯感、出走後は交代が出来ないため、ふらふらになっても棄権しない忍耐力など、日本人が日頃から大切にしている多くのものがこの競技に表れているわけです。
このような価値観は行き過ぎれば部活動での死亡事故に繋がることもあり、すべて正しいとは言えませんが、日本人の意識とスポーツの特徴がよく合致する点が多くの人を魅了してやまない理由なのでしょう。苦しくとも箱根路を力走する彼らの姿に日本人としての「美徳」に近いものを重ね合わせているように映ります。
箱根の湯のようにこんこんと湧き出る魅力の源泉。皆さんはどのようにお考えですか。
【参考記事】
本日付讀賣新聞(東京14版)1,2,20,21面・同日付朝日新聞(同版)1,23,39面
同日付日本経済新聞(同版)33面