「お前はそこまで人に踏み込まないでしょ」
友人にこんなことを言われて、ああ、確かにな、と納得しました。
何の話かと言いますと、友人たちの愚痴を聞いていたときのことです。学校生活やバイト先、就職活動中に起きた「イラつく出来事」に何となく同意しているうちに「日常生活でそこまで怒ることってあるか?」と思わず聞いてしまいました。そんな私に、友人の一人が返した答えが上の一言。薄情な話ではありますが、友達でも家族でも自分の身に振る相手でもない限り、周囲の人のとった行動にそこまで関心はありません。怒ったところで何が変わるわけでもないので、多少不快な気持ちになるけれど、「怒る」というほどの感情もわきません。
皆さんはどうでしょうか。日常生活、怒ってますか? ついカッとなって不必要にきついことを言ってしまったり、ちょっとしたことが気になってイライラしてしまうこと、多いほうでしょうか。そんな自分に怒りがこみあげてくることもあるでしょう。「怒り」の感情って、自分が考えている以上にエネルギーを消費しますよね。友達や家族と喧嘩したときなど、一人になったとたん急に疲れが圧し掛かってくるものです。私があまり怒らなくなったのも、そこまでやり切るエネルギーがないから放棄してしまっている感覚です。
ストレスフルな世の中とはよく言われたものですが、本日の朝日新聞で紹介されたのは「アンガーマネジメント」。言葉の通り、自分の怒りを管理すること。もとは1970年代にアメリカで生まれたとされる心のトレーニングで、怒りの感情と上手に付き合うことで、差別的な思考やDVに対する矯正プログラムとして広まったとされています。
朝日新聞の「リライフ」コラム特集で、全四回を予定に特集されているこの企画の中で、日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんは、「怒らないのではなく、怒りと上手に付き合うことが目標です。」と語ります。
怒ることはよくないこと。みんなそう思うかもしれません。けれど、怒りによる負の感情の発散は心の重荷を下ろすためには効果的な手段です。怒っていい時にその感情を押し殺してしまえば、たまりにたまったストレスにいつか押しつぶされる時が来るでしょう。そうなった時に、溜まりに溜まった感情や、ストレスでボロボロになったあなたを受け止めてくれる人は残念ながらそうそういません。自分の機嫌は自分で取る。怒りってきっととんでもないエネルギーを持っていますから、小さいうちに小出しにしていかないといつの間にか誰の手にも負えなくなってしまいます。そうならないためにも、自分でマネジメントしていくのが大切なのかもしれません。
今回のリライフ特集では、アンガーマネジメントの紹介にとどまりました。次回はアンガーマネジメントの技術やコツを紹介してくれるとのこと。楽しみにしています。
参考記事:
15日付 朝日新聞朝刊(大阪10版) 22面(リライフ) 「今日もキレイ 怒りと付き合う1」