厚生労働省は14日、個人型の確定拠出年金の制度を改め、専業主婦や公務員など誰でも加入できるようにする改革案を示しました。確定拠出型年金では毎月の掛け金は決まっているが運用成績次第で将来の年金の受け取りを増やすことが出来ます。これに対し日本の年金制度の主流である確定給付型年金は将来受け取る年金額があらかじめ決まっています。
年金制度は職業によって分かれているため転職者にとっては加入している年金を改め資産の移し替えをしなければなりませんでした。今回の年金制度改革は転職などの柔軟な働き方に対応したものとなります。
今回の年金制度改革は確定拠出型年金加入へ追い風となりますが、確定拠出型年金は運用次第ではかえって将来資産が目減りしてしまう恐れがあります。政府は近年「貯蓄から投資へ」という号令のように安全資産からある程度リスクをとった資産への流れを先導しています。確定拠出型年金は日本版401kと呼ばれており、これはアメリカの年金制度を参考にしたものといわれています。アメリカにおける個人の金融資産の保有割合は日本と大きく異なっており株式や(確定拠出型等の)年金といったリスクが比較的高い資産が大きな割合を占めており資産運用に積極的な社会です。日本人はリスクのある資産を購入するのはギャンブルだ悪いことだという考え、もしくは資産の目減りを恐れて預貯金などの安全な資産で運用する人が大多数です。こういった考え方が形成されたのは日本の金融の歴史が一因であるかもしれません。しかし日本人の金融リテラシーの低さは金融教育の遅れからくるものではないかと私は思います。
将来の有事に向けた保険や、将来の生活に必要となる年金、必要なものであるのにちゃんとした教育を受けた方はほとんどいないのではないでしょうか?制度の改革ばかり先行したとしても支払う側を育てなければ制度は育ちません。
私は学生ということで現在の年金の支払いは免除されていますが、社会人になり年金や保険といった金融商品とどうつきあっていけばいいのか不安を感じます。
現在学生の方は年金などに対してどのような不安を感じていますか?また社会人の方は年金や保険といったものに対してどのように付き合ってきたのでしょうか?
日本の資産運用という問題は今後どのような移り変わりを見せるのでしょうか。
【参考記事】
10月15日付日本経済新聞朝刊 1面「確定拠出年金誰でも加入」