筆者は時間があると、家電量販店に足を運びます。特に買うものはないのですが、色々な機能が搭載された商品を眺めているだけで、しばし感動します。しかしここ最近、そういった商品を市場に出すのは、海外メーカーであることが多いです。それどころか、世界で初めてノートパソコンを作った東芝や液晶画面付き電卓を開発したシャープはいずれも厳しい道を進んでいます。
一方、ソニーは昨日、営業利益予想を上方修正し、実現すれば過去最高益となります。そして、本日11月1日に、犬だけに「ワンワンワン」にちなんで家庭用ロボット「AIBO(アイボ)」を来年1月11日に発売することを報じました。2006年に製造販売を終了してから12年ぶりの復活です。
発表会見の中で、平井一夫社長は次のように語っています。
「感動をもたらし、人々の好奇心を刺激する会社であり続けることが私たちソニーのミッション、ソニーの存在意義」
スマートフォンは「Xperia」を使い、「Walkman」で音楽を聴く。カメラも、タブレットも、お小遣いを貯めてはソニー製品を購入している筆者。それでも、社長の言う「好奇心を刺激する」ような商品は出せていないのではないでしょうか。「羽根のない扇風機」「新製品が発売されるたびに行列ができるスマートフォン」は、いずれも海外メーカーです。
先日あらたにすで触れたモーニング娘。の代表曲「LOVEマシーン」のワンフレーズには
日本の未来は 世界がうらやむ♪
とあります。この曲はちょうどアイボが生まれた年に発表されています。あれから20年弱経った今、様々な問題が山積みの「日本の未来」には虚しさすら感じてしまいます。
そんな中での、最先端の技術を搭載した「ペット」との再会。「何ができるんだろう」「何ができるようになるんだろう」と、ワクワクしています。こうした「興味をそそられる」商品を作り出すことが、国内メーカー「復活」のために必要なのではないでしょうか。
参考記事:
1日付 朝日新聞夕刊(東京4版)2面(総合)「新型「aibo」発表」
同日付 日本経済新聞夕刊(東京4版)1面(総合)「新「アイボ」1月発売」
同日付 読売新聞夕刊(東京4版)3面(総合)「アイボ遊ぼう!12年ぶり」