「Halloween Partyするから、仮装してきてね!」
先日友人からそう言われ、恥ずかしがり屋の筆者は困惑中です。「ハロウィーン 仮装」で検索すると色鮮やかな衣装がずらりと並びますが、「こんなの着れないよ」と心の中で呟いてしまうのです。まだ購入には至っていませんが、勇気を出して人生初の仮装に挑戦してみます。
今月31日は、「ハロウィーン」。その起源は、古代ケルト人にあるようです。暦ではこの日が大みそかにあたり、新年の訪れや収穫を祝う習慣がキリスト教の行事に取り込まれたことで米国に伝わったといわれています。子供の頃はあまりなじみのない行事でしたが、大学生になってからは友達とお菓子を交換したり、旬の食材を使って料理をしたりして楽しむようになりました。毎年、渋谷を行進している友人もいます。今や世界的サブカルチャーとして花開いており、今年のハロウィーン市場は1305億円に上ると予測されています。
街を歩くと、いたるところでオレンジ色のカボチャのランタンを見かける時期になりました。読売新聞では、若者文化だけでなく家庭のイベントとして楽しむ動きが定着しつつあると伝えています。親子で気軽に仮装を楽しむためのボディーシールや、リースなど部屋を装飾する商品の取り扱いが増えているようです。カボチャや魔女をデザインし、ジャケットの襟につける男性向けバッチもあるというから驚きです。
一方でハロウィーンといえば、悲しい事件もありました。1992年米ルイジアナ州で、パーティーでたずねる家を間違えた日本留学生が射殺された悲劇です。今日の朝日新聞投書には、「仮装を楽しんでいるときに、一人一人が銃規制について思いはせるのはどうだろうか」と提案されていました。近年は駅周辺に大量のハロウィーン関連ごみが放置されたり、可愛い写真を撮ることだけを目的とした「インスタ映えによる食べ残し」が波紋を呼んだりもしています。ハロウィーンをきっかけに社会問題に目を向けたり、礼儀や食のありがたみについて考え直したりできるかもしれません。
お盆やクリスマスのような伝統的文化でないからこそ、人それぞれの楽しみ方や創意工夫でオリジナルの味わい方をできるのが魅力です。「メディアや商業主義に乗せられているだけ」「単に騒ぎたいだけ」といった現実的な意見もありますが、ただ通り過ぎるのではなく、何かにチャレンジしたり、何かを意識したりする節目になればと思います。
皆さんは今年のハロウィーンをどう過ごしますか。
参考記事
19日付 朝日新聞朝刊(東京13版) 投書欄「(声)ハロウィーンに銃規制を願おう」
読売新聞朝刊(東京13版) 12面 「お家でハロウィーン」
朝日新聞デジタル 「(be between 読者とつくる)ハロウィーンで何かしたことがある?」