10月から、アルバイト先での出勤管理の方法が変わりました。これまではタイムカードとExcelシートを使い、15分ごとに切り上げ・切り捨てで計算する方式が採られていましたが、オンライン上で完結できるシステムに切り替わりました。アカウントが与えられ、データの集計や休暇や残業の申請などはこのシステムで処理されます。勤務時間は1分刻みでの計算となり、カウントされない時間がなくなったのです。
15分刻みだった時は、実際の勤務時間よりも短く記録されてしまうことがしばしばありました。例えば10時1分に出社すると、10時15分に出社したようにカウントされます。そのため、6時間のシフトの場合、16時15分まで働く必要がありました。バイト先のように、勤務状況の管理にITを活用する企業は増えていると言います。
6日、労基法違反で罰金50万円の有罪判決を受けた電通。罰金額が少ないのでは、という声もあるようですが、電通は「信頼を失う」という企業にとって重い罰を受けたと思います。今日の日経新聞は「労務管理の甘さが経営リスクにつながることが示された」と伝えています。電通だけでなく、すべての企業がこの判決を軽んじることなく、よりよい労務管理のあり方を目指してほしいものです。
午後10時消灯の徹底や有給休暇取得の義務化など、変わろうとしている電通ですが、一方で顧客の流出も起きています。先月の日経電子版の記事では、次のような変化が報じられていました。
午後10時の退社時間を守るため、取引先の急な要望にも「今日中の対応は難しい」と謝ることが増えた。
実際、他社に仕事が奪われたこともあり、所属部門の売り上げは落ちている。「社員の健康管理は大切だが、やる気があるのに働けないのは複雑だ。職場にも冷めた空気が漂っている」という。
もっと働きたいという社員のために、現在は禁止されている副業を解禁するという道もあるのではないかと思います。
また今回の判決を受けて、無理な要望を通していたクライアント側も変わるべきでしょう。今年7月に発表された「労働環境改革基本計画~新しい電通を創る改革~」を見てみると、「取引先に対する協力要請を推進」「業界団体を通じたルールづくりを推進」を実施中であるとしています。実際のところは、取引先は協力などせず離れていっているのではないでしょうか。はたして協力体制を構築する動きはあるのか、知りたいです。続報を期待しています。
参考記事:
7日付 日本経済新聞朝刊(東京13版)2面(総合)「電通違法残業 罰金50万円 甘い労務管理にリスク」
同日付 読売新聞朝刊(東京13版)35面(社会)「電通に有罪判決」
同日付 朝日新聞朝刊(東京14版)34面(社会)「電通 罰金50万円判決」
9月22日付 日本経済新聞電子版「電通は変われたか 一筋縄でいかぬ働き方改革」