東京・両国の国技館では、大相撲秋場所が開催されています。力士の休場など心配することが多いですが、若手や中堅どころが台頭することに期待して取組の結果に一喜一憂しながら楽しんでいます。
▲両国国技館の土俵 実物はテレビで見るよりも狭かったです
とりわけ注目しているのは、関脇の御嶽海。長野県出身の力士で、相撲の世界に導いてくれました。ふるさとが同じなので親近感があり熱い声援を送っています。さて、気になるのは成績です。5日目である今日は、攻めの姿勢で白星をあげることができました。これで2勝3敗。得意の形である押し出しを武器に、流れに乗ることができれば嬉しいです。
一方、一番ごとに勢いがついているのは阿武咲。おうのしょう、と読みます。強気な姿勢で5連勝と白星を重ねています。初日で、御嶽海が対戦し好発進をゆるした相手です。悔しいですが、やはり強かった。幕内最年少の21歳でも、とても落ち着いているのです。場所前に白鵬が「気になる若手」として挙げていたのも、うなずけます。強い若手がいるほうが盛りあがるので、このまま連勝街道を驀進して欲しいものです。
▲力士専用の車椅子 皮肉なことに今場所は大活躍
中央にあるのは通常サイズ。比べるととても大きい
今場所で心配なのは、やはり力士の休場です。10日にむかえた初日から横綱の白鵬、稀勢の里、鶴竜を含めて、7人の幕内力士が休場しています。3横綱が初日から休むのは相撲協会の記録に残る昭和以降では、初めてのことだそうです。看板である横綱が出場しないことは残念です。多くの相撲ファンが落胆したことでしょう。
2日目に、初優勝を期待されていた高安と人気力士の宇良も取組後に車椅子で運ばれ、休場になりました。今日もファンの心配はつきません。2場所連続で負け越すと、関脇に陥落するカド番大関の照ノ富士。今日の勝負で、6月に手術した左膝が痛んだのでしょう。足を引きずりながら花道を退場していました。
真剣勝負について「がちんこ」という言い回しをよく使いますが、もともとは相撲のなかで使われた言葉だったそうです。力士が思い切って激しくぶつかり合う時に発するガツンという音が転じて、そのような意味になりました。土俵はまばゆい照明を浴びた大舞台です。一度、上がったら、体の大きさは関係ありません。力と力のぶつかり合いでひるむことのない対戦なのです。怪我は付きものかもしれません。ですが、これ以上、誰も休場や負傷をしないことを祈ります。
(写真は今年4月29日 両国にぎわい祭り2017・国技館バックヤードツアーに参加した際に撮影)
参考記事
14日付 朝日新聞(東京14版)17面(スポーツ)「東西トーザイ 強気 阿武咲 4連勝」