幼いころ、祖父母の家への帰省や遠くへの旅行の際、親から新幹線のチケットをもらうのが当たり前でした。改札に通し、記載された座席番号を確かめながら指定の席に座ったのは、今でも記憶に残っています。
今後、こうした小さな社会体験の機会もますます減りそうです。JR東海とJR西日本は、「Suica」や「ICOCA」などの交通系ICカードで東海道・山陽新幹線に乗車できる新しいサービス「スマートEX」を来月30日から始めます。事前にクレジットカードで支払いを済ませれば、インターネットで座席を予約してICカードで乗車できるようになります。
最大のメリットは、何といってもチケットを用意する必要がなくなることでしょう。改札前でチケットを探す手間が無くなり、紛失の心配もありません。場合によっては出発地から到着地まで1枚のカードで完結できる気軽さは魅力的です。また、このサービスを使えば普通指定席が200円引きになるそうで、これも利用を促進するでしょう。
これからの時代はあらゆるものが省略されて、今までの「当たり前」がそうでなくなることがますます増えるでしょう。来月始まるこのサービスも、そのうちさらに新しいサービスに置き替わり、「昔は新幹線にICカードで乗ってたんだな」と懐かしむ時期が来るはずです。
次のサービスはどんな斬新なものなのか、それを想像するだけでワクワクします。
参考記事:
読売新聞(朝刊)13版 8面(経済) 「スイカで新幹線パスも」