水泳のアルバイトや空手道の指導、たまに顔を出す高校の部活動と、小中学生や高校生と比較的多く接しています。高校生にもなると気を使ってくれることがしばしばありますが、小中学生はそうではありません。素直な反応をしてくれます。ほとんどは面白いことには笑い、つまらないときには冷たい表情をします。こちらの熱量がそのまま伝わるのです。
朝日新聞の取材で、生徒が髪の毛を染めたり、パーマをかけたりしていないかを見極めるために、都立高校の約6割が一部の生徒から入学時に「地毛証明書」を提出させていることが分かりました。学校によっては、裏付けのために幼児期の写真を出させることもあるようです。
証明書を求める背景には、生活指導をしっかりやるイメージを学外にも広げ、生徒の見た目で学校の評判を落としたくないという思いがあります。また、勘違いによる不必要な指導を防ぐことにもなります。
紙面には、地毛証明書の提出を求められ、母親の署名と、小学校の卒業アルバムの写真を出した経験のある大学2年生の声が紹介されています。「染めていないのに、疑われ、家族も巻き込み悔しいし、悲しかった」
生徒の身だしなみなどに対し一定の校則を設けることも、あって然るべきだと考えます。ただ、それが外部に向けたイメージのためのパフォーマンスになってはいけません。子どもたちと真摯に向き合ってこその生活指導ではないでしょうか。また、教員たちが、実のある指導ができるような環境を確保することも必要です。
そもそも、なぜ髪を染めたり、パーマをかけたりしてはいけないのか。そんな問いに筆者はぶつかっています。ただ単に「子どもとして相応しくないから」では、接している子どもたちは納得しないでしょう。本気で考えることで、子どもたちを動かすことができると思っています。
小中学生のとき丸坊主だった筆者には無縁だった話を、今日は取り上げました。
参考記事
1日付 朝日新聞 1面『「地毛証明書」都立6割』