すべての人に、復興のサポートを

 もう、1年が経ったのか、と思っています。筆者が「あらたにす」へ初めて投稿したのが昨年の4月1日。これまで、42本の投稿をしてきました。これで43本目になります。まさに、塵も積もれば山となる。文章が上達しているのかと不安になりながらも、これまで、多くの方に読んでいただいたことに感謝します。

 新スタッフも7人加わりました。編集部スタッフ紹介を見ると、それぞれが、様々なことに関心があるようで、日々の投稿に活気があふれるのではないかと楽しみです。筆者も新しい風に刺激を受けて、これまで以上に内容の濃い投稿ができるように頑張ります。

 震災から6年が経った福島にも、活気が舞い戻ってきてほしいものです。

 政府は福島第一原発事故に伴う避難指示について、3月31日に帰還困難区域を除く、浪江町、飯館村、川俣町を、4月1日には富岡町を解除しました。それぞれの町でイベントが行われ、住民が参加しました。

 その一方で、約1万2千世帯が放射線への不安などを理由に、自主的に避難を続けています。福島県はこれまで、自主避難者にも住宅を無償で提供してきましたが、内堀雅雄知事は一昨年、生活環境が整いつつあるとして、自主避難者への無償提供を昨年度で打ち切ると発表しました。しかし、県の調査では、県外に自主避難をしている世帯の8割が4月以降も避難を続けると答えました。また、自主避難世帯の97%が4月以降の住宅を確保している一方で、約200世帯は未定だったと言います。取り残された自主避難者は「追い詰められていく」と語っています。

 なかには、新たな住まいを探す人もいます。静岡に自主避難中の50代の女性は希望する家賃と、地域の相場に3倍の開きがあり、不動産業者からは「住んでいる場所の家賃相場を知らずに生活していたらだめだ」と諭されたそうです。

 この記事を読んで思い出したのが先月福島を訪ねた時に出会った、とある中学校の先生の言葉です。

「なんでも、やってもらって当たり前になっている」

 甚大な被害から免れた地域に住んでいる私には、到底言える言葉ではありません。しかし、もしこの言葉を借りられるのであれば。もう自立してもいい時期なのかもしれません。

 これは、自主避難者を見捨てろということでも、福島に戻れと言っている訳でもありません。すべての人が新たな生活に向けて、歩み始めることができるように、行政のみならず、私たち一人ひとりもサポートしなくてはなりません。

 

参考記事

4月1日付 朝日新聞 13版 34面 「復興へ はじめの一歩」

4月1日付 読売新聞 13版 33面 「古里に復興の灯」