「就活『前哨戦』広がる」。本日(30日)、日本経済新聞朝刊の見出しです。ここにある「前哨戦」とはインターンシップのこと。「前哨戦ってもう戦いなのかよ!?」とつっこみを入れてしまいました。そういう筆者も大学4年生で就活を終えました。志望する業界のインターンには参加し、内定した企業のインターンにも参加しました。採用選考には関係ないとは言いますが、本当にそうなのでしょうか。企業側がどう捉えるかは置いておいて、参加した学生としては有利です。参加していない学生よりもその企業については詳しいはずですから、面接で話すことの幅は広がりますし、自信にもなります。そういう意味での有利です。本日は就活の経験も活かしながら書いていきたいと思います。
冒頭で挙げた記事は、インターンを秋冬に実施する企業が増えたと伝えています。以前は夏が主流でした。この変化には就活の時期が影響しています。2017年に卒業する学生から、説明会の解禁が3月、選考の解禁が6月になりました。それにより、説明会で企業と学生が接触できるのは3ヶ月と短くなりました。そこで空白期間となった秋冬にインターンを実施する企業が増えているのです。ディスコによると、16年12月~17年2月に実施する企業は 43%にもなります。昨年に比べて11%増加しました。早い段階で学生と接触して、自社のことを知ってほしいという焦りが見られます。一方で学生側にも焦りがあります。マイナビの調査では、93.6%の学生が「秋以降のインターンに参加したい」と答えています。前倒しで業界や企業への理解を深めたいということでしょう。売り手市場と言われても、学生個人には実感がなく、関係のないでしょう。
焦ったとしても、自分のペースを乱してはいけません。私は内定者として内定先の企業の1dayインターンの手伝いをしています。就活生からの質問を受けることもあります。「昨年のこの時期には就活のために何をしていましたか」「周りが就活を始めていて、焦ったので今日初めて来ました」「企業がさまざまなイベントの募集をしていて」など周りをとても気にしているようでした。私の友人も早い時期から長期インターンをしたり、セミナーに通ってたりしていました。しかし、私が昨年のこの時期に何をしていたかというと、タイへ旅行に行ったり、美術館や舞台を見に行ったりしていました。就活を念頭にしていたわけではまったくありません。それでもこの経験を面接で話すこともありました。無駄だったとは思いません。就活のためにすることだけが就活に役立つわけではないと感じています。むしろ就活だけのつまらない学生になってしまったらいけないと思いました。
この時期には、業界や企業への理解が深まっている学生もいれば、就活にはじめましての学生もいます。確かに差は大きいです。たとえ就活に詳しくても、自分のことがわかっていなかったり、常識的な礼儀がなかったりする学生もいます。逆に詳しくなくても(ある程度の知識は必要ですが)今までに経験してきたことを楽しく話してくれた方がその人のことがわかる気がするのです。
きれいごとだけを言うつもりはありません。インターンが前哨戦を言われるように、戦いなのだと思います。それでも秋冬インターンに気を取られすぎてはいけません。時間に余裕があるうちに、自分の好きなことを追いかけることも大切です。自分のペースで自分らしくいてほしいなと思います。以上、就活を終えた者からのお節介でした。
参考記事:
30日付 日本経済新聞朝刊(東京13版)「秋冬にインターン」11面(企業総合)