先日、初めて韓国に行ってきました。ここ数年間でK-POPアイドルや韓国ドラマにすっかりハマっていたので、今回の旅行を楽しみにしていました。
旅の目的の一つとして、現地で「センイル(誕生日)広告」を見ると決めていました。アイドルやアーティストのファンがSNSなどで仲間を募って資金を集め、推しの誕生日やデビュー記念日などに合わせてポスターや映像を出し、活動を後押しする取り組みのことをいいます。センイル広告は駅やバス停の広告掲示スペースでよく見られます。
筆者が渡韓する前後では応援しているアイドルグループのメンバーが誕生日を迎えるということで、街中をセンイル広告が埋めていることを期待していたのです。
2025年9月17日筆者撮影:地下鉄の駅で見つけた俳優イ・ジョンソクのセンイル広告
2025年9月17日筆者撮影:アイドルグループStray Kidsのメンバー フィリックスのセンイル広告
上の2枚の写真以外にも街中ではセンイル広告を見かけました。2枚目の写真のセンイル広告はどちらも同じアーティストへ向けたものなのですが、奥のものはかっこいいイメージ、手前のものは可愛らしいイメージで作られています。ファンによって個性が現れ、1つとして同じ広告がないのも特徴です。韓国のポップカルチャーを実際に目にすることができて胸が高まりました。
センイル広告は韓国発祥の文化ですが、近年日本でも見かけます。これまでは肖像権や著作権の制約から個人が広告などを出すハードルが高かったのですが、20年にJR東日本系列のジェイアール東日本企画(東京・渋谷)が応援広告事業に参入しました。横浜のみなとみらい駅では、22年度から応援広告を受け入れ、この年度だけで18件、23年度は72件をを数えました。
国内でも盛り上がりを見せる応援広告ですが、改札やエスカレーター付近などの混雑場所では認めないとのルールを設け、慎重な対応もされています。JR西日本や東急電鉄は、応援広告を掲載できる場所を、広い空間が確保できるターミナル駅に限定しています。「肖像権に抵触する可能性がある」として、相模鉄道は認めていません。
応援広告は自発的にアイドルやアーティストをお祝いできる、街中で推しを見かけることができるという点で魅力的に思えます。推し活の形は多様になり、より身近なものになっていますが、推しを見たいがために人通りの多い場所で立ち止まったり無理やり写真を撮ろうとしたりすることのないよう、配慮した応援を心がけたいです。
参考資料
日本経済新聞電子版 「『すとぷり』ファンが自腹で駅広告 推し活商機、交通でも」https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC086170Y5A100C2000000/
読売新聞オンライン 「ファンが駅にアイドルの『応援広告』、新たな『推し活』のカタチ…『推し電車』を走らせることも」https://www.yomiuri.co.jp/national/20240522-OYT1T50061/