同じ名前で呼ばれる料理でも地域によって作り方の違いが見られるものがあります。関西も広島もお好み焼きが有名ですが、その具材や作り方によってどちらが本来の「お好み焼き」なのか、テレビの特集や日ごろの雑談のなかで、しばしば話題になります。大学で知り合った関西人に広島出身だと言うと「関西のお好み焼きのこと怒らんといてな」と冗談が返ってきたこともあります。
筆者はどれをお好み焼きと呼称するのか気にしたことはありません。広島にいた頃も、実家で作るのは関西でよく見られるかたちのものでした。しかし広島を離れ関西圏で生活をするうちに、広島のお好み焼き屋さんで一般的に作られるものは「広島焼き」と呼ばれていることに気づきました。
広島風と関西風のお好み焼きにはどのような違いがあるのでしょうか。広島の特徴は、焼いた生地に材料をのせて焼く「重ね焼き」です。生地を鉄板の上に薄く広げ、キャベツや豚肉など具材を積み上げて焼きます。麺が入っていることも特徴です。お店によってはうどんか中華麺かを選択することも可能です。
2025年8月13日 筆者撮影:広島のお好み焼き
一方、関西のものは生地と具材を最初にすべて混ぜる「混ぜ焼き」タイプです。麺は入っていないのが基本で、入っているものは「モダン焼き」と呼ばれています。
2025年8月30日 筆者撮影:関西のお好み焼き
地域によって作り方に違いはありますが、筆者はお好み焼きそのものが好きで子供の頃からよく食べています。広島の実家の近くには「徳川」というチェーン店があったのですが、そこでは重ね焼き、混ぜ焼きのどちらもあります。徳川はキャッチーなCMの効果もあり、地元では有名なお好み焼きのお店です。ただ、広島に住んでいるから広島スタイルのものしか食べないということはありません。
故郷にはお好み焼きのお店がたくさんあり、帰省すると必ず食べています。旅行で訪れた友人が「広島のお好み焼き、美味しかった」と言ってくれるとうれしくなります。関西に来てからは友人に教えてもらったお店が美味しくて、何度か足を運びました。それぞれに地域の特徴があり、どちらにも違った美味しさがあります。観光で訪れた際にはぜひ一度、その土地の味を食べてみませんか。
参考資料
お好み焼き徳川 「広島・関西のお好み焼き徳川」http://www.tokugawa.jp/web/index.html
オタフクソース 「知ってましたか?広島と関西のお好み焼きの特徴」https://www.otafuku.co.jp/okonomiyaki/column/003.html