連日厳しい暑さが続いています。今月5日には群馬県伊勢崎で41.8℃を記録。国内の歴代最高気温、41.4℃を塗り替えました。
先日正午ごろ、筆者は地元、香川県にある公園を訪れましたが、あまりの暑さに子供たちの姿は見当たりませんでした。筆者自身もよく公園で遊んでいたため、懐かしの遊具を見て回りました。しかし、5分ほどで汗が吹き出し、長い時間留まれる状態ではありませんでした。
▲酷暑の影響で人がいない公園
(2025年8月15日 筆者撮影)
暑さで懸念されるのが熱中症です。NHKは総務省消防庁の発表から、今年6月に熱中症で救急搬送された人は全国で1万7229人と昨年6月の2倍以上となり、6月分の調査を始めた2010年以降で最も多くなったと報じました。
「熱中症」という言葉はいつから使われるようになったのでしょうか。昔は、強い直射日光に長時間当たることで発生する「日射病」、屋内外を問わず高温多湿な環境下に長時間いたり作業をしたりした時に起こる「熱射病」と、呼ばれ方が様々でしたが、2000年からすべて「熱中症」に統一されました。
熱中症は、体内で作られた熱をうまく外に逃がすことができなくなり、体温が上昇することで臓器の働きが悪くなることで発症します。脱水症状にある人、高齢者や乳幼児、暑さに慣れていない人や普段から運動をしていない人などは、熱中症になりやすい傾向にあります。
防ぐにはどのような対策が効果的なのでしょうか。厚生労働省はホームページで「熱中症予防のための情報・資料サイト」を公開しています。まずは暑さを避けて身を守ることが大切です。屋内では遮光カーテンやすだれを利用したり、エアコンで温度を調整したりすること、屋外では日傘や日陰の利用や、日中の外出を控えることが紹介されています。
最近では、屋外だけでなく、室内での熱中症が危険視されています。消防庁によると、熱中症の約4割は室内で起きているといいます。室内熱中症が発生する原因は主に2つあります。
1つ目は、室内の温度、湿度が適切ではないことです。室温が28度以上であったり、それより低くても室内の湿度が70%を超えたりすると熱中症に危険性が高まります。室内の湿度は50~60%に保つことが理想とされています。
2つ目は、水分や塩分補給の不足です。暑い屋外から室内に入ると、のどの渇きを感じにくくなってしまいます。そのため屋外の暑さで失われた水分や塩分を十分に補給できず、熱中症の危険性が高まります。
酷暑の影響から外で運動できない子供たちの為に、最近では屋内で体を動かすイベントも開催されています。キリンホールディングスと日本サッカー協会(JFA)は、屋内でも楽しみながら運動不足を解消できるプログラムを共同開発しました。3~6歳の幼児が対象で、4、5種類の運動メニューを組み合わせた約20分の運動プログラムです。今後、全国の幼稚園や保育園1千カ所への導入を目指していくそうです。
こまめな水分補給と適切な運動で熱中症に負けない元気な体を作り、暑い夏を乗り越えていきたいものです。
参考記事
2025年8月6日付 読売新聞朝刊 「群馬・伊勢崎 41.8度 国内史上最高 都内でも40度超」
2025年8月11日 日経新聞オンライン 「灼熱のテーマパーク、7月の消費額12%減 『涼』の提供に試行錯誤」
2025年8月13日付 朝日新聞朝刊 「酷暑…幼児の運動、室内遊びで キリン×サッカー協会がプログラム」
参考資料
NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250723/k10014872551000.html
TERAMOTO https://www.teramoto.co.jp/columns/18467/
一般社団法人 日本気象協会 https://www.netsuzero.jp/doctor
気象庁 https://www.data.jma.go.jp/stats/etrn/view/rankall.php
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/prevent.html