2025年2月に施行されたNPB (一般社団法人日本野球機構)の「写真・動画等の撮影配信及び送信規定」により、SNSへのプロ野球の写真投稿が億劫になった人も多かったのではないでしょうか。しかし、8月4日に規定の改定が発表され、この9月から写真に関しては選手のプレーシーンのSNSなどへの配信・送信に制限がなくなることになりました。
今回の改定で写真の投稿に関しては、試合中、試合後に関わらず自由に投稿でき、動画もグラウンド外やイニング中以外のグラウンド内を撮影した140秒以内の内容であれば、試合中の投稿も可能となりました。「グラウンド外」となるのはフェア地域及びファウル地域(ベンチ、ブルペン、スタンドは除く)以外、つまりベンチ、ブルペン、スタンド、選手によるベンチ前のパフォーマンスエリアです。これはスタンドの応援風景や公式練習、始球式などを含みます。また、「イニング中」とはイニング先頭打者への初球のプレイ宣告から3アウトまでを指します。
このほか、プレーシーンの動画も条件を満たせば投稿可能です。試合終了後、全てのSNSにおいて1人1アカウント、1試合に1回のみ60秒以内の無編集の動画であればいいとのことです。リアルタイムにファンによるスタンドからのホームラン動画投稿などは見られませんが、ゲームセット後であればそのような白熱した瞬間を共有できるようになりました。
ライブ配信や身体の一部を強調した写真、動画などの他者に迷惑をかけるものなどは引き続き投稿不可能です。規定の改定によって、選手だけでなく、球場にいる全員のプライバシーなど、守るべきものが明確になったように思えます。
実際に個人のプライバシーを守る取り組みは各球場でも進められています。先日、東京ドームの球場ルールにおいて、「スタンド内」でのスタッフを撮影する行為の禁止を「球場内」に拡大する変更があり、球場内での売り子やスタッフの撮影が禁じられました。細かな変化ではありますが、盗撮や過度な接客を求める迷惑行為から個人を守る安全域が広がったといえます。
ファンの声や日本プロ野球選手会の声により、規定施行から半年程でほぼ従来のルールへと戻ることになります。1か月ほどの周知期間を経て、再び球場の熱気をよりリアルに感じられる映像が多くの人に届くと信じています。
参考資料:
NPB (一般社団法人日本野球機構)写真・動画等の撮影及び配信・送信規程の改定について
2025年7月25日 東京ドーム 球場ルール一部変更のお知らせ