参議院選の投開票日は20日です。カウントダウンが進むなか、各政党は選挙運動に力を入れています。すでに期日前投票も始まっています。どの政党や候補者に投票しようか頭を悩ませる人も少なくないでしょう。なかには、分からないから投票をためらうといった声も耳にします。そんな時、手軽に自分と相性が良い政党や候補者を知るツールとしてボートマッチが推奨されています。
読売新聞オンラインでは、「選挙の争点に関するアンケートに回答することで、政策的に最も相性の良い政党や候補者を提示してくれるサービス」と紹介しています。その種類は、読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞をはじめとする新聞社や放送局が運営するものから、選挙情報を提供するNPO法人によるものまで多種多様です。
参議院選に向け、筆者も報道機関が運営するサイトを中心にボートマッチを利用してみました。多くのサイトでは、20~25程度の質問が表示されます。設問の中身を解説する機能もあり、知識がなくても利用できると感じました。また、分からない問題や関心がない項目をスキップすることも可能で、ストレスなく手軽に進められます。一方、形式や設問はサイトによって大きく異なりました。
読売新聞社や毎日新聞社のボートマッチは、提示された設問に答える形式です。日本経済新聞社やNHKのサイトでは、気になる政策テーマを選択すると設問が表示されました。また、朝日新聞社のサイトは最初に相性を調べたい政党を選択した上でマッチングが始まります。
設問にも各社は工夫を凝らしています。多くのボートマッチに共通するのが、経済政策や社会保障などの項目です。ですが、聞き方が異なると印象も大きく変わるように感じました。また、政治家の世襲や米の価格など、他のサイトでは見受けられない設問が表示されるものもありました。そのため、複数のものを利用することが望ましいと感じます。限られたサイトに頼ると、結果に偏りが出る恐れがあるからです。比較することが重要だと考えます。
SNSで共有されている声に「サイトによって結果が違う」というものがあります。筆者自身、サイトによって表示される政党にばらつきがありました。複数のボートマッチを利用すると、自分の考えにマッチする政党が異なり、戸惑う人は少なくないかもしれません。
ですが、多くの設問に回答し比較することで自分の考えを確認することができます。マッチング結果だけでなく、設問ごとの回答に着目することも大切でしょう。
手軽に利用できるボートマッチ。その結果を鵜呑みにするのではなく、上手に活かすことが求められます。選挙に備え自分の考えを整理する機会として、ボートマッチをおすすめします。
参考記事:
2021年10月30日 朝日新聞朝刊「(メディア空間考)「ボートマッチ」 回答しまくれば見えてくる」
2025年07月04日 朝日新聞朝刊(総合)「石破政権を問う 物価高対策、現金給付か減税か 自公で過半数維持、焦点 参院選公示、20日投開票」
2025年07月04日 朝日新聞朝刊「10党首の第一声 参院選公示」
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