中国共産党は今日で創立104年 中国政府ってどんな仕組み?

1921年に誕生した中国共産党は、きょう結成104年を迎えました。党員数は1億人を超え、去年末の時点で入党を申請している国民は2000万人。党員になるのは簡単ではないと言われています。一党支配という特徴的な政治システムはどのような構造なのか調べました。

中国共産党はマルクス=レーニン主義を奉じるコミンテルン(国際共産主義組織)中国支部として100年ほど前に結党されました。解放区をもうけ、封建的な地主制度を廃止するという公約を掲げ、農村を中心に支持を集めました。旧日本軍と戦うために国民党と手を組んだ時期もありましたが、常に激しい内戦を繰り広げていました。共産党が戦いに勝ち、1949年に中華人民共和国の建国が宣言されました。

建国してから現在に至るまで共産党が一貫して中国を統治しています。中国の憲法には第一条に「中国共産党の指導」という表現があります。これは中国共産党の権力は政府機関、裁判所、軍隊などあらゆる組織に及ぶことを指します。共産党以外にも政党はありますが、政権を争うようなことはなく、意見を述べるにとどまります。

中国の立法機関は全国人民代表大会(全人代)と呼ばれ、最高権力機関とされています。そして全人代の監督下に行政を担う国務院、最高裁判所である最高人民法院が機能しています。つまり、三者が対等な立場にある日本や欧米の「三権分立」ではないのが特徴です。

共産党の一党支配は長期的に一貫した政治ができるという利点がありますが、独裁政治に陥ってしまう危うさがあります。1958年には鉄鋼などの生産を増やし国力を発展させる「大躍進政策」を実行しましたが、国内が大混乱するなか多くの死者を出しました。市場原理を無視したノルマを課せられた農民は農機具を溶かして鉄を取ったり、燃料確保のために森林を伐採したりしたため、自然災害や不作が相次ぎました。その結果、犠牲者は数千万人に及んだともいわれています。

習近平政権は「社会主義現代化強国」という目標を掲げて、アメリカを超す強国を目指すと意気込んでいますが、急速な少子高齢化も相まって経済成長のスピードが年々鈍っていることは確かです。世界でも数少ない一党制政治が長期にわたって続いている中国は興味深く、今後の政策にも注目したいものです。

 

 

 

参考記事:

 

1日付 日本経済新聞電子版 中国共産党、新疆ウイグル自治区トップが交代 後任は陳小江氏(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM016FK0R00C25A7000000/)