8日に筆者の住む九州北部や四国が梅雨入りしました。蒸し暑い日々が続く中、夏の風物詩、かき氷の季節がやってきます。
梅雨入りした日、観光で訪れていた熊本でのことです。午前8時30分という朝早くにも関わらず、長蛇の列を見つけました。列付近のポスターを見ると、「熊本の氷会2025」と書かれています。全国有名店のかき氷が食べられるイベントが開かれており、食券購入の行列だったようです。
そもそもかき氷とはどのようにして生まれ、いつ頃から食べられているのでしょうか。平安時代の清少納言「枕草子」にかき氷の最古の記述があり、夏に食べる高級おやつだったことが分かります。日本初の本格的なかき氷店は明治に入った1869年、横浜市で店開きしました。当時、氷の大量生産、輸送技術がなかった日本はアメリカのボストンから天然氷を船便で輸入していました。当然ながら、ボストン氷は高価だったそうです。翌年に北海道・五稜郭の天然氷の商品化に成功し、庶民の間でもかき氷が食べられるように。その後、天然氷と人工氷の品質や安全性における争いもありましたが、昭和に入ると家庭向けのおやつとして親しまれるようになりました。
ちなみに2022年の8月10、11日に気象情報会社「ウェザーニューズ」(千葉市)が行ったアイスクリームとかき氷の「どちらが好きか」という調査に対し、かき氷と答えた割合は都道府県別で熊本県が最も高かったそうです。また、調査によると普段はアイスクリーム人気が高いものの、気温30度ではかき氷を食べたい人が3割を超え、34度でかき氷人気がアイスクリーム人気を逆転するとのこと。
筆者が熊本に滞在した日は最高気温が25.8度で、アイスクリームとかき氷の逆転の境界線34度を下回ったこともあり、筆者もかき氷を差し置いてアイスクリームを食べてしまいました。皆さんもかき氷を食べたくなった時は気温を確認してみてはいかがでしょうか。
参考記事:
日経電子版 2024年8月26日付 かき氷、明治に夏の風物詩に 高貴な冷菓から庶民の涼に
読売新聞オンライン 2022年9月16日 暑い日はアイスクリーム?それともかき氷?…境目は「気温34度」
参考資料:
株式会社ウェザーニューズ 2022年9月1日 ウェザーニューズ、全国7.9万人と『夏のアイスクリーム・かき氷調査』を実施 かき氷の人気は気温34度でアイスクリームを越える