京都・先斗町(ぽんとちょう)は伝統的な景観や鴨川の納涼床などが有名で、一年を通じて観光客で賑わっています。街を歩いていると、稀に顔を白く塗った芸妓さんや舞妓さんに出会うことがあります。今回は、芸妓さんや舞妓さんの大ファンで、今はお客さんと芸妓さんをつなぐ「お茶屋さん」と呼ばれるお店でアルバイトをしている友人に、様々な疑問をぶつけてみました。
そもそも、芸妓さんや舞妓さんはどのような人たちを指すのでしょうか。
『まず芸妓さんは名前の通り「芸」をする人たちで、歌や踊り、三味線や太鼓の演奏などをしています。三味線と太鼓は「お囃子」と言われ、それらを演奏する芸妓さんは「地方(じかた)」と呼ばれます。舞妓さんは、芸妓さんの音曲に合わせて踊る、文字通り「舞」をする人たちのことを指します。演奏などをすることは基本的に無く、イメージとしては芸妓さんになるための見習い期間というのが分かりやすいでしょう』
次に、芸妓さんと舞妓さんの違いについて聞いてみました。
『舞妓さんは16歳から18歳くらいの方が多いですが、芸妓さんには年齢制限はありません。髪型は、芸妓さんは作られたかつらをかぶりますが、舞妓さんは地毛で髪を結うそうです。一度結うと一週間ほどほどけないこともあるそうで、厳しい環境の中、芸妓さんを目指して努力されていることが分かります』
友人曰く、舞妓さんは「幼さ」の象徴であり、衣装にも舞妓さんならではの特徴が見られます。
『舞妓さんの着物には、成長してもサイズを伸ばすことが出来る「仕付け糸」があります。帯も可愛らしさや幼さを出すために、大きくて長い帯を着用し、若い舞妓さんが長い帯を着用する姿は「だらりの帯」と呼ばれます。また、幼さを強調するために赤色が使われることが多いです。着物の襟の部分も特徴的で、初期は赤色だったのが、成長して芸妓さんに近づくにつれ白色が差し込まれ、最終的に芸妓さんに昇進する際は、真っ白の襟になります。そのイベントを「襟替え」と言います』
先斗町では5月の「鴨川をどり」と10月の「水明会」の年に2回、歌舞練場というステージで踊りや演奏を披露する会があります。「鴨川をどり」は歌と舞台の二部で構成され、2018年にはシェイクスピアの作品を和風にアレンジして演じられました。日本の伝統的な物語だけでなく、様々な演目が試されているようです。
京都は毎年、春の桜と秋の紅葉の時期には様々な場所でライトアップなどのイベントがされています。京都に来られる際は、ぜひ先斗町にも立ち寄り、花街の素顔に触れてみてはどうでしょうか。