飛行機の検査

飛行機を使って旅行に行くときに、時々ベルトや時計の金属が引っかかってしまう、そんな経験はありませんか。飛行機に乗るまでの様々な手続きや検査。電車や高速バスと違って、出発時間よりかなり前に空港に行かなければなりません。つい、そんなに時間をかける必要はないと思ってしまいがちです。確かに機内に危険物を持ち込まれないためには欠かせない、という理屈はわかっているのですが、非常に面倒です。

そんな検査手続きをすり抜けた女性客が、飛行機に乗ってしまったという事件が5日にありました。新千歳空港での出来事です。その手口はどのようなものだったでしょうか。女性が搭乗に必要な携帯電話の画面を読み取り機にかざすとエラー表示が出たので、警備員が確認のため数分間女性から目を離しました。その隙に当人は金属探知機を通らずに保安区域に入り、搭乗してしまった、というものです。この影響で空港はすべての飛行機の運航を停止し、検査をやり直すなど、大混乱に陥りました。

本来受けなければならない検査を受けずに飛行機に乗ってしまった女性に対しては、建造物侵入や軽犯罪法違反にあたるかどうか検討中ということですが、空港の対応に問題があったことは否めません。テロリストやハイジャック犯がすり抜けていたら、重大な事件につながってしまいます。空港は国や地域の玄関番として、危険な人や物を機内に入れさせない責任があります。細心の注意を払う必要があることを忘れてはいけません。

今回の事件を受けて、国交省は全国の空港に対して再発防止策を講じるよう指示しました。具体的にはすり抜けを防止するロープの設置、複数の職員による検査状況の確認、などを求めています。

空港に大混乱を招かないためにも、一般の乗客が検査に対しての理解をすることも必要です。面倒ではありますが、一人一人が協力することが、本当に危険な人や物を発見する第一歩でしょう。それは自らを守ることにもつながるはずです。

 

参考記事:

16日付 朝日新聞 朝刊 29面「新千歳空港 すり抜けた保安検査」